貿易にまつわる仕事
貿易に関する仕事について職種や働き方が知りたい!
グローバル化が進む今日では、ますます
貿易の重要性
が増しています。
そうした中
- 国際的に活躍できそう
- ワールドワイドな仕事ができる
といったイメージから、貿易関係の仕事に就きたいと考える学生や、転職を志すビジネスパーソンは少なくないでしょう。
しかし貿易関連の仕事は多岐にわたっており、
- 実際にどのような職種があるのか
- どんな仕事内容なのか
といったところはあまり詳しく知られていない部分でもあります。
そこで今回の記事では、
貿易に関連する職種および仕事内容
そして
働き方
について解説していきます。
目次
貿易の歴史と仕事
品物などの輸出や輸入に携わる貿易の仕事の歴史は非常に古く、日本においては有史以前より
朝鮮半島や中国大陸と交易するようになったのが貿易の原点
とされています。
戦国時代にはスペインやポルトガルといったヨーロッパ諸国とも積極的に貿易が行われていました。それから鎖国~開国ののち近代貿易を経て、現在では日本は
世界有数の貿易大国
にまで成長しました。今や貿易は経済を成り立たせるために必要不可欠なものの1つであり、これがなければ生活が成り立たないと言っても過言ではありません。
こうした長い歴史の中で誕生した貿易の仕事は多岐にわたっており、国家資格のようなものもあれば、国際的なルールに則って作られた資格(職種)のほか、
民間の商社や運送会社、航空会社
なども含まれています。
貿易に関する職種および仕事内容、働き方
「貿易の仕事」
と一口で言っても、その内容は実に多種多様です。
多様であるがゆえに、
- どんな職種が貿易の仕事に該当するのかイメージがわかない
- 具体的にどんなものがあるのかよくわからない
といった方も多いと推察します。
そのため、貿易の仕事には実際にどのようなものがあるのか、1つ1つ詳しく見ていきましょう。
通関士
通関士は、
日本の貿易における唯一の国家資格。
基本的に、通関業者(※)に属して仕事をすることが一般的であり、荷主から提出された書類を確認して、税関に申告するのが主な仕事内容です。
それに加えて、
- 国に対して払う関税額や消費税の算出
- 税関からの質問への対応
- 税関で行われる検査への立ち合い
なども行う場合があり、貿易に関する
豊富な知識と高い専門性
が求められます。
(※)通関業者…税関への輸出入の申告行為を代行する業者
通関士の試験内容や仕事に関してはこちらの記事も参考になります。
貿易事務
貿易事務とは、
国際間貿易をする際に必要となる書類の手続や取引先との対応・調整
などを行う仕事。
職場としては、
- 貿易会社や商社
- 運送会社
- メーカー
- フォワーダー
などで働くケースがほとんどです。
仕事内容はどの職場で働くかによって異なりますが、
- 海外の取引先や関係先との調整・調整作業
- 貿易書類の作成
- 受注や発注手続き
といった職務を任されるのが一般的となっています。
海外企業との自社企業の窓口的な位置づけ
と考えるのが分かりやすいでしょう。
貿易事務の仕事に関してはこちらの記事も参考になります。
商社
商社は
輸出入貿易および国内の物資販売
が主な仕事。幅広い商品やサービスを扱う企業のことを総合商社と呼ぶ一方、特定の分野を扱う会社は専門商社と呼ばれます。
商社は日本特有の企業形態とされていますが、世界中に支店を持つ商社も少なくなく、
ワールドワイドに活動することが可能
です。売り手と買い手を結びつける取引の仲介役であるため、コミュニケーション力や臨機応変な対応力が求められる仕事でもあります。
税関職員
税関職員とは、
公的機関である税関で働く職員
のことであり、国家公務員試験に合格後、選考を経てはじめて採用されます。輸出入者から申告された内容をもとに、
- 申告内容が合っているか
- 持ち込みが禁止されている品物が持ち込まれていないか
- 税金がきちんと支払われているか
などを確認するのが主な仕事です。麻薬や偽造通貨など、風紀を乱す品物が国内に持ち込まれないよう、
水際で防ぐ役割
も担っています。
検疫所職員
検疫所は、北海道から沖縄まで全国110箇所にある施設であり、検疫所職員は、
検疫法に基づいて感染症に対する検疫業務や健康相談などを行う国家公務員
です。検疫の第一線で働く「検疫官」になるためには医師や看護師資格などの専門資格を持っていることが必須ですが、それらと共に入国者の健康監視や感染症の情報提供などを行う行政職(一般職)の採用も行われています。
検疫所の詳しい組織体制や仕事内容はこちらで確認できます。https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/kenetsu/dl/kenetsu-01.pdf
フォワーダー
フォワーダーとは、簡単に言うと
「貨物運送取扱業者」
のこと。フォワーダーは自ら輸送手段を持たず、
- 船や飛行機
- トラック
- 鉄道
などを利用して、貨物輸送を行う事業者であり、自らの輸送手段を使って配送を行う事業者(キャリア、インテグレーター)とは異なる存在です。荷主(企業または個人)と直接契約を結ぶため、荷主と運送会社との間に立って、
輸送をコーディネートするのが主な仕事
となります。
フォワーダーは国際物流のプロフェッショナルとして、荷主のニーズを汲み取って正確かつスピーディに荷物を届ける必要があります。一口で「フォワーダー」と言っても、船便輸送が得意な会社、航空機輸送が得意な会社など、ベースとなる業務が企業によって異なるため、就職や転職を考えるのであれば「どの専門領域で働きたいのか?」を明確にしておくことが大切です。
配送会社
輸出入される荷物を配送する会社には、
- 陸運会社
- 航空会社
- 船会社
などがあり、品物や所要日数、配送する国などに応じてどの手段を利用して配送するかが異なります。
陸運では、荷主との直接的なやり取りが可能なほか、個人レベルのネット通販から美術品、産業製品など
幅広い製品を扱える
のも魅力の1つです。近年の配送需要の高まりに伴い陸運業界ではドライバーの不足が続いており、常にドライバー職は売り手市場と言われるなど、今後ますます需要が伸びていく業種の1つとされています。
航空会社や船会社においては、
自社が所有する運搬手段を使って「荷物を届ける」
ことがメインの業務となるため、自社で通関業務や荷主からの依頼を受けることはほとんどありません。基本的にはフォワーダーが間に立って通関や荷主との調整、書類作成などを行ってくれます。そのため航空会社や船会社の貿易における役割は、
フォワーダーなど協力会社との連携、窓口業務
などがメインの仕事と言えるでしょう。
国際航空貨物取扱士
国際航空貨物取扱士は、別名IATAディプロマと呼ばれます。IATAとは、International Air Transport Associationの略であり、世界中の航空会社によって構成される組織です。IATAディプロマは、日本だけでなく世界中で通じる国際的な資格であり、
航空貨物の取扱いに関するプロフェッショナル
として、
- 運送状の作成や運賃計算
- 輸送スケジュールの作成・確認
などを行っています。
資格取得のためには国際航空貨物に関する豊富な知識が求められるため、
「資格取得者=国際航空貨物のプロフェッショナル」という証明
となり、昇進や転職にも有利だとされています。
試験の概要は、下記(JAFAのホームページ)より確認可能です。http://www.jafa.or.jp/_assets/attach/attach384.pdf
国際物流管理士
国際物流管理士とは、
輸出入業者に代わって税関手続きを代行する際に必要となる資格
です。通関士と同じような資格に感じるかもしれませんが、通関士がより実務的な資格かつ国家資格であるのに対し、国際物流管理士はマネジメントの資格として物流や経営の幅広い知識などを問う資格となっています(民間資格)。
国際物流管理士を取るためには、20日間の講座を受講するとともに、最終試験での合格も必要です。社団法人日本ロジスティクスシステム協会という、
ロジスティクス分野で最も権威があるとされる団体が主催する資格
であるため、物流分野で活躍する方は取得しておくと知識が広がるかもしれません。
同法人では、物流技術管理士・ロジスティクス経営士などの資格授与も行っています。https://www1.logistics.or.jp/education/ilm.html
貿易に関する仕事の適性と必要なスキル
このように貿易に関する仕事は、非常に多岐にわたっており、それぞれの分野で
仕事内容に応じた専門的なスキル
が求められます。また外国人とコミュニケーションを取る機会も多いため、海外の人と対等に渡り合える語学力を持っておくと重宝されるでしょう(新卒の場合には、専門的知識や英語力などは問わないケースもあります)。
また今日の社会においては貿易の需要の高まりに加えて、
配送スピードの速さや正確性を求められる
ことがほとんど。
そのため、
- 仕事に対する使命感や責任感
- ハイクオリティかつスピーディにタスクを実行する力
- どんな状況においても臨機応変かつ冷静に対応できる力
- 社会情勢や国内外のニュースにアンテナを張り、自分なりに考える力
なども必要です。
さらに資格としては、
- 実用英語技能検定(英検)
- 貿易実務検定
- TOEIC
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
- 通関士
- プロトコール検定(外交儀礼、マナー)
といったものを取得しておくと、就職や転職において役に立つかもしれません。
そのほか、
相手の文化や価値観に配慮できる心を持つこと
も大切です。特に異なる文化圏に住む相手とは、自分の慣習や感覚とは異なる物差しを持っていることも少なくありません。ただ単に自分の価値観を押し付けるのではなく、相手の意見に耳を傾ける・気配りを見せるといった「心遣い」も忘れないようにしたいものです。
ただし、こうした知識やスキルを身に付けようという意欲があれば、企業や公的機関などに属することなく
独立してビジネスを立ち上げる方法もあります。
海外のお宝商品を輸入して日本に紹介するといった「輸入ビジネス」であれば、個人でも十分にビジネスとして展開することが可能です。
まとめ
今回は、
貿易に関するの職種と仕事内容
適性・スキル
について詳しく解説していきました。
貿易の仕事と一言で言っても、その内容は多種多様。自分の「実現したい夢」や「やりたい仕事」が叶えられる職種といかにマッチングできるか、が就職や転職を成功させる鍵を握っています。
また、必ずしも「組織に属して貿易の仕事に従事する」ことだけが、貿易に関する仕事に就くための方法ではないことを知っておくと、今後の仕事選びの選択肢が格段に増えるでしょう。中でも輸入ビジネスは、働くにあたって
特別な資格や免許などが一切不要かつ個人でも始められる仕事。
誰でも気軽に参入できるのが「輸入ビジネス」の最大のメリットであり、魅力の1つでもあります。
子育て中のママでも、年配の方でも、年齢や学歴に関係なく、チャレンジできる「輸入ビジネス」。
組織に属さず個人で輸入ビジネスを始めたい、初心者から輸入ビジネスにチャレンジしてみたい、という方はこちらまでお気軽にご相談ください。