CASE OF FAILURE
輸入ビジネス失敗事例

輸入ビジネスにおける失敗例と対処法

輸入ビジネスにおける失敗例と対処法

何から何まで自由に輸出入ができるのが輸入ビジネスと考えているなら大間違い!

商品を輸出入するためには、当然ながら必要な条約・規制・国内法などが存在していることを忘れてはなりません。

それらを遵守しなければ、「商品を国内に持ち込めない」または「国内には持ち込めたものの販売ができない」といった可能性もあります。

そのため今回は

輸入ビジネスで起こり得る失敗とその対処方法

について詳しく解説していきます。

輸入ビジネスには失敗もある(最低限必要な法律知識)

輸入ビジネスは「成功したら儲けが大きいビジネス」と言われますが、失敗する可能性も無きにしも非ずです。

中でも、必要な条約や規制といった

国際的なルールや国内法を知らないが故に起きてしまう失敗

が多数のケースを占めています。

輸入ビジネスにおいて、最低限確認しておきたい国内法には、

  • 関税定率法
  • 外為法
  • 薬機法
  • 酒税法
  • 食品衛生法
  • 植物防疫法
  • 消防法
  • 工業標準化法
  • 電気用品安全法
  • 電波法

といったものがあります。

また、国際法には

  • モントリオール議定書
  • ワシントン条約

などが存在しており、

これらに抵触する品物は取引が固く規制されています。

各国内法や条約の詳細については下記の記事にまとめてありますので詳細が気になる方はこちらをご確認ください。

【事例】輸入に関する法律・規制を調べ失敗を防ぐ

また輸出入が禁止・規制されている品目については、税関の公式サイトでも確認が可能です。

一部を抜粋して掲載すると、関税法で輸入が禁止されているものとしては、

  • 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、覚せい剤
  • 指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものは除く)
  • けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
  • 爆発物、火薬類
  • 模造品、偽造カード
  • 公安または風俗を害するべき書籍、図画など
  • 児童ポルノ

といったものが挙げられます。

あくまでもこちらは規制品の一部になりますので、

  • 輸入ビジネスで扱いたい商品が規制の対象になっていないか
  • 国内に持ち込む際に法律に触れていないかどうか

など、取り扱う品物の詳細はご自分で確認するようにしてください。

法律に抵触した場合には、

関税法等で処罰されることになるので注意

しましょう。

個人レベルの輸入で特に気を付けたい法律

上記に挙げたような法律や規制の中で、個人が輸入ビジネスをする際、特に気を付けたい法律が次の5点です。

薬機法

⇒医薬品、医療機器等の品質と有効性および安全性を確保するための法律。下記を目的に製造・表示・販売・流通・広告をされるものについて細かい定めがあります。

  • 保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止
  • 防止指定薬物の規制
  • 医薬品や医療機器および再生医療等製品の研究開発の促進

薬機法では医薬品や医療機器はもちろんのこと、

医薬部外品、化粧品、再生医療等製品、健康食品なども規制の対象

となるため注意が必要です。
特に気をつけたいこととしては、キャッチコピーで医療行為を想起させてしまうことです。

治る・○○に効果がある!

というようなことをコピーとして勝手に謳ってしまうと、法律に違反し罰せられる場合があります。表現にも注意をして販売をしましょう。

酒税法

⇒酒類を販売目的で輸入した場合は、管轄する検疫所に「食品等輸入届出書」を提出したり、輸入した酒類を販売する際に酒税法に基づく

酒類の販売業免許

を受ける必要があります。また酒類販売業者が保税地域から酒類を引き取ろうとする場合、容器の見やすい箇所に、品目やアルコール分等の表示が義務づけられています。

食品衛生法

⇒食品衛生法では、医薬品や医薬部外品を除くすべての飲食物が規制の対象となっています。注意すべきは、食品や添加物だけでなく

食器や調理器具、乳児用玩具なども規制対象

に含まれている点です。

個人で使用する分には規制が及ぶことはありませんが、販売や営業が目的となる場合には、これら全てが規制の対象となるため、注意が必要です。
輸入し販売する際は定められた方法で、しっかりと検査をしましょう。検査を通れば販売することが可能です。

電気用品安全法

⇒この法律は一般的に「PSE」と呼ばれ、電気用品が感電・火災といった危険や障害を引き起こすことを防止するために、電気用品の製造・輸入・販売など規制しています。そもそも電気用品を製造または輸入するためには、「手順に基づいた製造または輸入の手続き」、「定められた基準に商品が適合しているか検査・確認」、「PSEマークの表示」といった手続きを踏まなければなりません。

また輸入品の場合、

「安全性を確認する責任」はメーカーではなく輸入者にある

という点も気を付けておきたいポイントです。

電波法

⇒電波法では、「技適マーク」が付いていないスマートフォンやBluetoothなどを輸入・販売することはできないと定められており、電波法で罰せられるのは「違法な製品を使用した人」が対象です。そのため販売者側が、しっかりと検査をして販売をすることで、消費者に不利益を被らせないことが大事です。
違法製品の販売をしてしまった場合、大手ECサイトでは罰金やアカウントはく奪といった措置が取られるケースもあるため注意が必要です。

販売商品の場合、こうした法律に抵触するようなものを輸入することは避けたほうが無難です。それでも輸入したいという場合には、

法律をよく確認し、定められた方法で輸入

するようにしましょう。

輸入ビジネスでよくある失敗例とその対処法

このように輸入ビジネスにおいては、必要な法律や規制を知らないと、販売以前に商品を国内に持ち込むことすらできません。

そのため輸入ビジネスでの失敗例は

法律的に絡むもの

が必然的に多くなる傾向にあります。

具体的な例を挙げると、

  • 植物検疫法に引っかかってドライフラワー入りのテーブルランプが輸入できない
  • 電気用品安全法によるPSEマークが付いていないコンセントを輸入しようとした
  • 毛皮製品を輸入しようとしたがワシントン条約の規制対象となっていた
  • 薬剤師や登録販売者などの免許がないのに医薬品販売を行おうとした
  • 食品衛生法の対象にある食品の検疫が必要だった
  • 消費者安全法によるPSCのついていないベビーベッドを販売しようとした

といったケースが実際に報告されています。

法律以外の失敗例としては、

といったものがあります。(※各リンクに飛ぶと、失敗例の詳細と対処法を確認できます。)

輸入ビジネスで注意したいこと

輸出入のビジネスを手掛ける際、

国際条約は法律よりも優先されるということ

は覚えておかなければなりません。

そのため条約に規定されているものを輸出入する場合のハードルは高く、輸出国の許可証をはじめ、

経産省大臣による承認、輸入許可証の手配など

が必要になります。

一方で審査を受けたり書類を出したりすることで輸入が認められる商品もあるため、取り扱う商品に関連する法律や規制、その対処法に関しては事前にチェックしておくことをオススメします。

ただし輸入が出来たとしても、販売時にECサイトなどの独自のルールに抵触してアカウントの停止や販売権のはく奪などのペナルティが課せられる場合もあるので、その際のルールはしっかりと確認しておきましょう。

まとめ

今回の記事では、輸入ビジネスの失敗例とその対処法について解説しました。

輸入ビジネスで取り扱う商品が合法なのかどうか、は個人の判断に委ねられる部分も大きく迷うこともあるでしょう。

その際には、

輸入ビジネスアドバイザーに相談したり税関に問い合わせたりして、事前にリスク回避をする

ように心がけましょう。

輸入ビジネスアドバイザーについて詳しくはこちら

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