PRACTICE
輸入取引の実務について

【事例】輸入に関する法律・規制を調べ失敗を防ぐ

【事例】輸入に関する法律・規制を調べ失敗を防ぐ

商品が届いても国内に持ち込めない!?

貿易を始める前に、知っておくべき法律と規制」ですでに述べましたが、貿易に関してはさまざまな法的規制があり、何でも自由に輸出入できるわけではありません。

ですから、販売目的で商品を輸入する場合、その商品の販売、あるいは輸入という行為が法律で規制されていないかどうかを事前に確認する必要があります。

これを怠ると、商品が港に到着しても国内に持ち込めない、持ち込めても販売できない、という事態に陥るからです。

輸入する商品が決まったら、まず輸入、販売の是非を税関に確認しましょう(*1)。

私が経験した手痛い失敗

実は私も、この確認を怠って痛い目に遭った思い出があります。

スペインで見つけたテーブルランプを輸入しようとしたときのことです。

ものはテーブルランプですし、法律に引っかかることはないように思えたのですが、実際には港で止められてしまいました。商品を出展する見本市の開催3日前の出来事でした。

理由は”ドライフラワー”でした。
このランプはガラスのボディ部分に”ドライフラワー”が入ったものだったのですが、そのドライフラワーが植物防疫法に引っかかってしまったのです。

植物防疫法では、海外から病害虫が侵入しないように、輸入植物などの検疫が義務付けられていたのです。私は、この法律のことを全く知りませんでした。

結局、ドライフラワーの部分を取り除くことで、なんとか輸入できるようになりました。こうならないためにも、みなさんは規制の確認を怠らないようにしてください。

最低限知っておきたい法律は?

輸入に関する国内法の規制には、さまざまなものがあります。

まずは関税定率法。この法律では、麻薬や拳銃、爆発ブルや火薬類、化学兵器に関する物質、偽造貨幣、ポルノなど公序良俗に反する書籍類などを輸入できないものとさだめており、こうした商品の輸入を禁じています。

また、外国為替及び外国貿易法(外為法)では、多くの海産物が非自由化品目に指定されています。近海魚やたらこ、海苔、昆布などの海藻は輸入割当が決められており、クジラやクロマグロ、サケなどは経済産業大臣による承認が必要になります。

このほか、輸入時にチェックしておきたい法律としては、薬事法、酒税法、食品衛生法などがあります。

なお、輸入後の販売については、消防法や工業標準化法(JIS法)などに基づいて、届け出や表示が求められる場合があるので注意してください(*2)。

 国際法としては、モントリオール議定書やワシントン条約があります。モントリオール議定書は、オゾン層を破壊する物質の取引に制限を課したもの。また、ワシントン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物の取引を禁じた国際的なルールです。


*1 輸出入が禁止・規制されている品目は、「税関」の公式サイトでも確認できる。

*2 例えば炭は使用用途によっては薬事法もしくは消防法の届け出が必要になる。また、ライターは高圧ガス保安法の適用除外物品とする手続きをしなくてはならない。

<輸入時に確認したい国内法>

関税定率法

麻薬や拳銃、爆発物や火薬類、化学兵器に関する物質、偽造貨幣、ポルノなど公序良俗に反する書籍類、知的財産権侵害商品などは輸入が禁じられている。

外為法

輸入に関して、割当てがあったり、承認が必要な物品がある、近海魚やたらこ、海藻類は割当てがあり、サケ、マスなどは経済産業大臣の承認が必要。

薬事法

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器などは、厚生労働大臣の許可を受けた者でなければ輸入できない。

植物防疫法

日本国内への病害虫の侵入を防ぐために、特定の地域における特定の植物の輸入が禁止されている。植物に付着する土や、包装物も検疫の対象。

酒税法

アルコール飲料を輸入して販売する場合は、所轄の税務署長から酒類販売免許を得なければならない。

食品衛生法

食品などを輸入して販売する場合は、輸入港を管轄する厚生労働省検疫所の担当部署に「食品等輸入届出書」を届け出なければならない。

消防法

防炎性能の基準を満たした物品でなければ輸入・販売ができない。

工業標準化法

日本の工業標準を定めた法律で、認証された製品にはJISマークがつけられる。例えばコードやコンセントなどはJISを取得していなければ輸入はできても販売ができない。

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