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貿易の基本を知ろう
貿易を始める前に、知っておくべき法律と規制
現在、日本では、輸出入は原則「自由」となっています。
ただし、どんなものでも自由に売買できるわけではありません。
例えば、人の生命や財産を脅かすもの(爆発物、毒物など)や、健康に有害なもの(覚醒剤、麻薬など)、また、環境を汚染するおそれのある化学物質などは、自由な取引が禁じられています。
また、特に危険性がなくても、経済的な側面から、輸出入に一定の制限が課せられている品目もあります。
目次
どんな法律があるの?
取引の前には、関連法や規制などを事前に調査・確認しておくことが必要です。
貿易のルールを定めた法律としては、外国為替及び外国貿易法(外為法)、輸出入取引法、貿易に関わる国内諸法規一覧などがあります。
また、有名なところでは、ワシントン条約やモントリオール議定書なども、国際間の取引をするうえで、注意が必要でしょう。これらに違反すれば、もちろん、処罰の対象になります。
このほか、医薬品を輸入する場合には、薬事法を調べ、厚生労働省から事前に輸入販売業の許可を取ったり、輸入品目ごとの承認や許可を取得したりしなければいけません。
輸出入に関係する代表的な規制
<輸入>
ワシントン条約
正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」。
最近では珍しい動物をペットにするために、生きたまま輸入するケースが増えていますが、この条約に抵触しないか確認すべきです。
国内では外為法(外国為替及び外国貿易法)で輸入が制限されています。
モントリオール議定書
オゾン層を破壊するCFC、特定フロン、ハロンの排出を段階的になくし、オゾン層を保護しようとする取り決めです。
オゾン層を破壊するおそれのある物質を特定し、その物質の生産、消費および取引を規制しています。
<輸出>
ワッセナー・アレンジメント
冷戦の終結に伴い、東側への輸出入規制「COCOM(対共産圏輸出統制委員会)」に代わって発足した、新たな輸出管理システムの協約です。
本合意により、日本国内では、対象貨物を輸出する際、送り先がどこであれ、経済産業大臣の許可が必要となります。
キャッチオール規制
大量破壊兵器などを製造するときに使われる物品や技術の輸出管理を強化する規制。
大量破壊兵器の不拡散政策をとっている国(ホワイト国という)以外に輸出する場合で、取り扱う物品がこの規制に該当するおそれがあれば、全貨物が規制を受けることになります。
<どちらにも関係するもの>
外国為替及び外国貿易法
1949年に制定された、対外取引に関する基本法。通称「外為法(がいためほう)」。
1998年の法改正により対外取引については完全自由化されました。
輸出入取引法
原産地の偽装など、不正な取引を防止し、輸出入の秩序を確立するための法律。
貿易業者の組合活動や、事業活動のあり方についても定められています。