PRACTICE
輸入取引の実務について
売れる商品の特徴と選定基準
目次
まずはニーズを探ることから
商品を選ぶときには、単に「なんとなく売れそうだから」ではなく、国内のニーズ(需要)をしっかり探ることから始めなければいけません。ニーズがあるのに、市場に出回っていないものを選ぶことが、成功のポイントです。
この場合、重要なのは「自分の得意な分野」で考えることです。自分の専門分野や好きな世界であれば、ニーズや顧客の気持ちがわかるからです。
商品の選定基準
商品を選定する場合の考え方は2つあります。
ひとつめは、品質、機能性、新奇性などを重視して商品を選定する方法。
2つめは、輸入国との物価や労賃の格差を利用して、売れ筋商品を見つけ出す方法です。
品質、機能性、新奇性などを重視して選定する方法
商品選びで重視すべき点は、大きく分けて3つあります。
ひとつめは、希少性・新奇性。外国ではヒットしているのに日本ではまだ流通していない商品や、趣味の世界など特定のニッチマーケットに向けた商品などが、これに当てはまります。
例:日本でまた流通していない海外商品、マニアの収集品
2つめは、独自性。その国固有の文化から生まれた商品がこれに当てはまります。また、特許や意匠など知的財産権がからんだ商品も含まれます。
例:海外の民族衣装・民芸品、ブランド品
3つめは低価格。輸入国と日本との間の物価や人件費の差を利用し、安く提供できる商品です。
この場合、目新しさはあまり問われません。すでに国内にあるものの、前述のような事情で圧倒的に安い価格で提供できる商品は、輸入商品として有効なのです(*)。
例:海外生産のほうが安い商品
* 日用品の殆どは、海外で生産したほうが断然低コスト。運送費や保険をかけても、大量に輸入すれば割安となる。
輸入国との物価や労賃の格差を利用して、売れ筋商品を輸入国から見つけ出す方法
なにか新しい特殊なものというよりは、消費者が繰り返し買うような、生活に根ざした商品は、この方法がとても有効です。
また、質的には最良とまではいえないかもしれなくても、品質のわりには価格が安い割安商品もこの方法になります。
いずれの場合も、価格を重視した商品選定といえます。