PRACTICE
輸入取引の実務について

到着案内書を受け取り、代金決済をする

到着案内書を受け取り、代金決済をする

到着案内書を受け取る

貨物が到着すると通知が届く

貨物が港に入ってくると、船会社など運送会社が、輸入者に対して貨物の到着を知らせる書類を送付します。これを到着案内書(Arrival Notice:A/N)と言います。

運賃の請求書(Freight Bill)と一緒に送られてくることがありますが、A/N自体が請求書を兼ねている場合もありますので、届いたらよく確認してください。

信用状決済の場合、A/Nが届く前後に、輸出地の銀行が輸出者から買い取った荷為替手形を含む書類(*1)が届きます。届くのは、あなたが信用状を開設した銀行です。この場合は、銀行からもA/Nが送付されます。


*1 ここで届く書類は「船積書類」と呼ばれる。

引き取りにも期限がある

書類一式を受け取ったら、通関手続きに入ります。

ただし、その前に、船会社にフリータイムの確認をしておきましょう。
フリータイムとは、輸入貨物を引き取る際に、保管料の支払いが免除される一定の期間のこと。

本船が輸入港に入港し、貨物がCY、CFSに移された後、5~10日がフリータイムとなります。通関業務などに手間取ってこの期間に引き取れないと、超過保管料金がかかってしまいます。

船会社によって、この期間はまちまちなので、事前に確認することを忘れないでください。

代金決済をする

契約を締結し、保険にも加入したら、いよいよ代金の決済に入ります。

主流は信用状以外の決済

輸入代金の決済には、「代金決済の準備をする」で述べたように、信用状(L/C)以外の決済方法が多く採用されています。

特に小口取引の場合は、クレジットカードや国際郵便為替が使われることが一般的。そこで、ここでは信用状以外の決済方法について解説していきます。

もっとも手軽なのは「送金」

送金は、自分の取引銀行(郵便局)から、相手の口座に振り込む方法で、もっとも手軽な方法です。支払いの指図とお金の流れが同じ方向(買主→売主)なので並為替と呼ばれます(*2)。

契約の段階で、通常は「前渡し○%、船積み後○%」となっていることが多いので、そのタイミングで振り込みましょう。

送金は、ほかの方法に比べて簡単で手数料が安いため、多く利用されています。しかし、全額前払いという契約の場合は、商品が届かなかったときに輸入側が大損になりますし、全額後払いだと、輸出者が代金を回収できなくなるおそれがあるので、高額の取引には不向きです。

代金決済を送金扱いにしたい場合は、必ず分割払いできるよう契約書に盛り込みましょう。


*2 手形を使った決済は、為替手形の動く方向と資金の動く流れが逆になるため、並為替に対して、逆為替と呼ばれている。

輸入側に負担のかかるD/P決済

手形決済には信用状 (L/C) のついていないケースがあります。

これがD/P決済、D/A決済というもので、どちらも銀行の保証がありません。ですから、輸出者にとっては輸入者への信頼のみが頼りになります。D/P決済は、D/P手形(DocumentAgainst Payment)と呼ばれる荷為替手形を使います。

輸入者が、輸入地の銀行で船積書類を受け取る際、荷為替手形の決済と引き替えに書類を渡されるというもので、「手形支払書類渡し」という方法です。

L/Cに比べて開設の費用や手間はかかりませんが、基本は商品の到着前に全額を支払うシステムなので、輸入者にとっては負担が多いと言えるでしょう。

輸入側に有利なD/A決済

D/A決済は、D/A手形(Document Against Acceptance)という荷為替手形を使います。輸入者が輸入地の銀行で船積書類を受け取る際、「支払期限付き条件」のついた為替手形を振り出して荷為替手形を決済し、後日、定められた期日内に支払うことを約束します。そして、その条件に了解してサインすると船積書類が渡されるというもの。これは「手形引受書類渡し」という方法です。

手形期日には、シッパーズユーザンスと呼ばれる、一定期間のうちに代金を支払う条件がつきます。「D/A 120days after sight」とあったら、手形を引き受けた日から120日後に払うという意味です。このシステムだと、後払いのために資金繰りが楽になりますし、代金決済前に商品を受け取ることができるので、万が一不都合があった場合、クレーム交渉を有利に進めることができます。

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