PRACTICE
輸入取引の実務について

取引先の発掘:国内と海外で探す場合のメリット・デメリット

取引先の発掘:国内と海外で探す場合のメリット・デメリット

<国内編>

国内で取引業者を探すには?

輸入したい商品が決まったら、それを取り扱っている業者を探さなければいけません。

取引先の見つけ方としては、国内で見つける方法と海外で見つける方法の2通りがあります。

国内、海外それぞれにいくつかの方法があり、そのどれにもメリット・デメリットがあります。あなたに合った方法を選びましょう。

国内の国際見本市で探す

国際見本市は、国内で業者を探すためのベストな方法です。国内ということで手軽にいけますし、参加企業も自ら日本に来て売り込もうとしている積極的なメーカーばかりです(*)。

最大のメリットは、現物と相手の顔が見えるという点でしょう。

インターネット時代になったとはいえ、取引は人間対人間です。ですから、相手に少しでも違和感を覚えたら要注意。売買に関するトラブルを回避するためにも、相手をよく見極めましょう。

国内の見本市のデメリットは、商品の価格と競合の数です。

前者に関して言えば、メーカーによっては自国での見本市より高めの価格設定をしていることがあります。元値を調べられるようなら、調べてから出向くのもひとつの手です。

後者は、多くの日本人バイヤーの目にさらされるため、競合が多くなるということです。ただし、これは前述のような大きなメリットがある分、当然と言えるかもしれません。


* ジェトロでは国内および海外の見本市を網羅したデータベースを提供している。(http://www.jetro.go.jp/j-messe/

見本市における商談の進め方

①気に入った商品があったら、ブースの担当者に声をかけて、興味があることや条件次第で取引したいことを告げる

②独占販売権を取得したい場合は、その可能性を確認する

③顧客との商談や品質確認のためにサンプルの発送を依頼する

④取引条件について交渉する

⑤交渉の窓口となる人を確認しておく

インターネットで探す

インターネットの検索エンジンを使えば、商品の情報や輸出業者を探すことができます。最大のメリットは、パソコンひとつでできる手軽さです。相手の顔が見えないというデメリットはありますが、相手の通信環境さえ整備されていれば、オンラインで交渉することも可能です。

商品情報を探す場合には、検索の仕方にちょっとしたコツがあります。
もし、あなたがフランスから食器を輸入したい場合は、「tableware manufacture french」という検索語で情報を探してみましょう。

ここで重要なのは、製造元を意味する「manufacture」と入れること。これを入れないと、オンラインショップや小売業者のサイトばかりが出てくることになります。

在日大使館や領事館の商務部で探す

輸出に積極的な国は、日本にさまざまなPR機関を置いて自国商品の輸出を促しています。大使館のHPをチェックしたり、イベントに参加したりして、自分が探したい商品の情報を担当者に伝えておけば、優先的に情報を流してくれるようになります。

通販カタログで探す

日本よりも通信販売が発達しているのが欧米です。通常は一般消費者向けですが、卸売業者を対象にした価格表を用意しているケースもあるので取り寄せてみましょう。一般消費者向けの業者でも、数量や条件によっては卸売りに応じてくれることもあります。

海外のカタログは、現地での小売価格を知ることができる絶好のツール。日本での価格設定の参考にするためにも、チェックしておきたいものです。

<海外編>

取引先を海外で探そう

情報化社会の現代、商品は国内にいても見つけることができますが、実際に海外にでかけていくのが、もっとも手っ取り早い方法だと言えるかもしれません。ここでは、海外で取引相手を探す方法をいくつかご紹介しましょう。

海外の国際見本市で探す

日本の見本市と海外の見本市とは大きな違いがあります。日本の見本市は、決定権のないバイヤーが集まっている場合が多く、ともすると名刺の交換会になりがちですが、海外の見本市は全権委任されたプロのバイヤーが集まる、徹底した商談の場です。

比較のためだけにカタログをもらおうとすると毅然と拒否されるなど、厳しいやり取りはあるものの、競合が少なく、ものによっては独占販売権が得られるかもしれないという利点があります。

お金と時間、勇気がいりますが、可能なら一度は出向いてみましょう。

海外の見本市についてはこちらの記事もご覧ください。
・海外の見本市へ行く〜渡航前の準備〜
・海外の見本市へ行く〜見本市の回り方〜

現地の店舗で探す

現地のお店を何軒かまわり、興味のある商品を手に取るのもひとつの方法です。パッケージに記されている製造元に直接問い合わせてみれば、取引の可能性があるかどうかがわかるでしょう。

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