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輸入ビジネスをやるなら知っておきたい電波法の知識

輸入ビジネスをやるなら知っておきたい電波法の知識

輸入ビジネスでは様々な海外の商品を輸入して国内で販売することができますが、中には法的基準を満たさなければ輸入や販売ができない品物があることをご存じですか?

その代表的な品物の1つが

「電波を発する製品」

です。

  • Bluetooth製品
  • トランシーバー
  • スマートフォン

などの電波を発する機器は電波法によって規制の対象になっており、技適マークが付いていなければ販売することができません。

そこで今回は、

輸入ビジネスに携わる方なら必ず知っておきたい「電波法」

について詳しく見ていきたいと思います。

電波法とは?

電波法とは、

電波を発する電子機器や無線通信をする製品

に関する法律です。

  • テレビ
  • ラジオ
  • パソコン

といった代表的な電子機器だけでなく、

  • Bluetooth製品
  • スマートフォン
  • タブレット

などもその対象です。

電波法という法律ができた背景には、

「電波の周波数は有限であり、使用できる周波数帯が限られていること」

が挙げられます。

ですから、様々な周波数の電子機器が無規制に使用されてしまうと、製品の誤作動や受信トラブルなどに発展する可能性があります。そこで電波法によってメーカー販売業者輸入業者などに規制をかけ、適切に管理されるようになったわけです。

電波法の概要を簡単に説明すると、法律が作られた目的は「電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進すること」にあります。

そのほか電波法の詳しい条文に関しては、下記ホームページから確認することが可能です。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000131

これらに該当するものは「電波法」による規制に該当する品物になるため、輸入や販売を行う際には注意が必要です。また規制条件をクリアしたものに関しては、

「技適マーク」

の貼り付けが義務付けられています。

ただし「技適マーク」を貼るためには公的機関の承認が必要であり、誰しもが簡単にできるわけではないため気を付けておきましょう。

ただし「技適マーク」は日本独自の法律であり、海外に輸出したり海外で販売したりするためにはその国の法律に準拠する必要があるため気を付けておきましょう。

技適マークのない商品をECサイト等で出品・販売するとどうなる?

実は、Amazonやアリババなどで出品されている商品は技適マークが無い商品も数多くあります。

特に海外の

  • Bluetooth製品
  • ラジコン
  • スマートフォン
  • トランシーバー
  • ワイヤレスマウス
  • 無線LANのルーター

などはその傾向にあるようです。

もちろん世界規格に合わせて製造されたのち出品される製品がほとんどですが、それらが日本の法律にも準拠しているとは限りません。

しかし、国内のECサイトなどで技適マークのない商品を出品することは

規約違反となる可能性が高い

です。

たとえば下記は、Amazonの電化製品・電子機器に関する規約です。

※引用:https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/help.html?itemID=202082120&language=ja-JP&ref=efph_202082120_cont_200164330

こちらの制限対象商品の項目には、しっかりと

「技術基準適合義務を履行したPSEマークが付されていないものの販売を禁止します」

という文言が明記されています。

また楽天市場では、出店の注意事項として「事前審査商材」の中に、PCソフトウエア携帯電話等の携帯通信端末についての記載があります。

※引用:https://www.rakuten.co.jp/ec/open/attention/

楽天市場で通信端末を自社店舗で取り扱う際には、

楽天指定の書類を提出し審査

が下りなければ出品自体ができません。

つまり楽天の場合は、原則「審査を通過していない電子機器」は市場へ出回ることがないわけです。

ただし出店後に規約違反が発覚した場合には、「楽天株式会社品質向上委員会違反点数制度事務局」からガイドライン違反の通知が届き、所定の対応をしなければなりません。

そしてヤフオクでは、以下のような出品ルールが定められており

「PSE(技適)マーク」を明示するように

との記載がしっかり書かれています。

さらにガイドライン違反となった場合には、出品した商品が削除されたり、アカウント制限がかかったりすることも明記済みです。

※引用:https://auctions.yahoo.co.jp/topic/notice/rule/post_2431/   
           https://support.yahoo-net.jp/PccAuctions/s/article/H000008891

さらにメーカーや正規代理店、ユーザーなどからの通報でECサイトでの販売が発覚した際には、

アカウント凍結・罰金などの厳しい措置

が取られる可能性があるため、注意しておきましょう。

電波を発する製品は、輸入ビジネスの上級者でも

  • 知らずに輸入してしまっていた
  • 販売目的で輸入しようとしていた

といったことがしばしばあるようです。その結果、実際にECサイトのアカウントが停止されたり、出品ページが削除されたりする事例も発生しています。

そのため輸入ビジネスで電波法に抵触する商品を取り扱うのであれば、お客様に対する「信頼性」や「安全性」などの観点からみても、しっかり

所定の検査を行い、安全性を確保した上で販売

しましょう。

商品の購入者にも罰則がある

ここまで読んだ中で、

  • 販売の段階で電波を発することはないのでは?
  • ただ出品するだけでは電波法違反ではないのでは?

というご意見を持つ方もいらっしゃることでしょう。

この点は認識が分かれるところではありますが、確かに「ただ輸入・販売するだけで(法的な)罰則を受けることは少ない」かもしれません(ただしECサイトで「技適マーク」のない製品の販売が禁止されている場合等では、アカウント停止・凍結など利用規定違反としての罰則はあり得ます)。

しかし注意しなければならないのは、「技適マーク」のない商品を購入したお客様がそれを使用して、違法電波(周波数)を出していた場合や過失をした場合、

お客様自身が罪に問われる可能性がある

ということ。

そして販売先を特定されたのち、製品回収命令がなされたり、命令に従わなかった場合に罰則・罰金が課せられたりすることも考えられます。大量の在庫があった場合でも、その後再販売することは厳しいと言わざるを得ません。

技適マークを取得するための方法

とはいえ、「どうしても電波を発する機器を輸入・販売してみたい」と考えている方もいることでしょう。

そんな時は

技適マークを取得して輸入・販売する

という方法があります。

技適マーク取得には、まず「総務省の登録を受けた登録証明機関への申請が必要です。

無線の認証方法は、

  • 技適基準適合証明(個々の電子機器を検査機関へ持ち込んで、電波法の基準に適合しているかどうか審査を行う)
  • 工事設計認証(任意の1代のみを審査・試験し、大量製品用の形式認証を行う。)

の2種類があります。

通称「技適」と呼ばれるものは技適基準適合証明を指しますが、量産を予定している場合には

技適を取得後に工事設計認証を取得

するケースが一般的です。

ちなみに輸入ビジネスの場合においては、前者の「技適基準適合証明」を取得するケースが多くなっています。

技適マークに関する詳細については総務省「電波利用ホームページ」より確認できます↓
https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/summary/qa/giteki_mark/

また無線設備の電波法に関する相談に関しては一般社団法人「電波技術協会」で問い合わせが可能です↓
https://reea.or.jp/information/2858/

技適マークが取得できる団体には、

・一般社団法人テレコムエンジニアリングセンター(東京都)https://www.telec.or.jp/faq/

・ビューローベリタスジャパン株式会社(横浜・東京・大阪など)https://eaw.bureauveritas.jp/radio-law/?utm_source=yss&utm_medium=cpc&yclid=YSS.EAIaIQobChMI1tXphdHm8QIVoIZLBR1ziQW6EAAYASAAEgL8IPD_BwE

・株式会社Wave Technology(兵庫県)https://www.wti.jp/contents/giteki.htm

といったところがあります。

必要な手続きや提出書類に関しては、会社ごとにやり方が異なる場合もあるため、

問い合わせ先に確認するのが確実

です。

まとめ

今回の記事では、

輸入ビジネスをやるにあたって注意しておきたい「電波法」の内容

誤って出品・販売した際に起きたトラブル事例

などを詳しくご紹介しました。

お客様に対する信頼性や安全性などの観点からすると、電波法を発する商品の輸入・販売には少しハードルがあるように感じることもあるでしょう。

しかしハードルをクリアすることさえできれば、「売れる商品」が生まれる可能性があることも事実。たとえばBluetooth製品、スマートフォン、電子ゲーム機などは時流にあった製品のため、

一発で大きなヒットを狙うこと

も夢ではありません。

こうした輸入ビジネスについて「専門家に話を詳しく聞いてみたい」「より深くノウハウを学んでみたい」と思った方は、ぜひ輸入ビジネスのセミナーに参加してみてはいかがでしょうか?

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