国際郵便(EMS)
EMSを利用するなら知っておきたい発送ラベルの書き方
小口の荷物を手軽かつスピーディに海外へ送ることができる
EMS(国際スピード郵便)
EMSは非常に便利なサービスではありますが、
ラベルの書き方にはコツが必要で、
- いつもラベルの書き方に迷ってしまう
- ラベル書きが難しくて手間がかかる
- EMSを使ってみたいけど、ラベルの書き方が難しくて断念している
という人も少なくないようです。
2021年1月1日からは通関電子データ送信が義務化され、
手書きラベルではなく印刷ラベルを利用する
方向になっていますが、記入する内容はほとんど手書きラベルと同様。
国際郵便マイページサービスを利用すれば、必要な項目を順に表示してくれるため
手書きよりは比較的簡単に入力ができるものの、ミスがあると相手先の税関で止められてしまったり、
荷物の到着に時間がかかってしまったりする可能性もあるため気を付ける必要があります。
(引用元:https://www.post.japanpost.jp/int/label.html)
しかし手書きラベルの記入方法をしっかりと理解していれば、オンライン入力はかなりスムーズに進められるはず。
そこで今回は、
EMSの発送ラベル(手書き)の記入方法について
詳しく解説するとともに、
国際郵便マイページサービスの利用方法
についてもご紹介します。
(※現在、通関電子データは米国宛のみで義務化されていますが、実際には米国以外の国でも手書きのEMSラベルでは受け付けてもらえないところも存在するようです。今後オンラインラベルへ順次変更される可能性が高いため、今のうちから慣れておくのも良いでしょう。)
目次
EMSを送るのに欠かせない発送ラベル
まずはじめに、
手書きの発送ラベル
について見ていきます。
EMSラベルには、書類用と物品用の2種類が存在。
書類以外のものを送る場合は、すべて物品用のラベルを使用しなければなりません。
通常の宅配便などと同様に、EMSにおいても
- 差出人の氏名・住所
- 受取人の氏名・住所
- 内容品
の記載は必須事項です。
ミスがあるとうまく相手に届かないケースもありますので、
間違いが無いよう正確に書くことが求められます。
実際のEMSのラベルは下記の通りです
【書類用のEMSラベル】
【物品用のEMSラベル】
(引用元:https://www.post.japanpost.jp/int/use/writing/ems.html)
EMS発送ラベルの記入方法
では1つずつ記入方法を見ていきましょう。
まずFROMと書かれた欄が依頼主の氏名や住所等を書く欄になります。
当然ながら、外国に向けて送る荷物になりますので、
英語(ローマ字)が基本。
氏名はそのまま姓名をローマ字書きにすれば問題ありませんが、住所の書き方は、通常日本語で書く形と表記順が異なるため注意が必要です。
例えば、
日本語表記→「東京都港区白金1丁目3番地5」(※住所は架空です)
と書くところを
英語表記→「1-3-5 Shirokane Minatoku Tokyo JAPAN」というように、
逆から表記するのが国際ルール
となっています。
そのため、EMSラベルでは
- 1行目:氏名
- 2行目:マンション名、番地、町、丁目
- 3行目:区、市町村、都道府県
のように記載するようにします。
その下には郵便番号と電話・FAX番号を記入しましょう。
EMSの場合は郵便番号欄の横に「JAPAN」という表記がありますので、国名は書かなくてもOKです。
次にTOと書かれた送付先(受取人)情報に移ります。
こちらもFROMと同じ様式で
- 1行目:氏名
- 2行目:マンション名(ルームナンバー)、番地、ストリート名
- 3行目:・地方・州名
を記入後、都市名や国名、郵便番号、電話・FAX番号を書き込みます。
最後に、送る品物の内容を
送る先の国で通用する言語
で詳しく記入します。
内容の英語表記がわからないという場合には、日本郵政のホームページ上に内容品の英語訳というページ(https://www.post.japanpost.jp/int/use/publication/food.html)が用意されているので、そちらを見れば安心です。
そのほか記入にあたっては、
- 個人の場合にはPersonal Useと記入し、具体的な品名も書くこと(HSコード等は、物品の場合にのみ任意で記入)
- 個数や重量、価格を記入すること
- 該当する項目に×印を入れること
- 2万円を超える物品に対して損害補償を希望する場合には損害補償額を入れること
- 危険物が入っていないかどうかを確認して署名を入れること
など、複数の確認ポイントがありますので、見落とさないように気をつけてください。
また、一部の国ではEMSラベルのほか、
税関告知書やインボイスなども必要
になりますので、不明な場合には郵便局の窓口へ直接確認しましょう。
国際郵便の条件については、日本郵政の下記ページでも確認可能です。
https://www.post.japanpost.jp/cgi-kokusai/
EMSラベルの記入時に注意したいこと(金額・消費税)
EMSラベルの記入で最も大変な部分は、
「価格の記載」
になります。
なぜなら「価格」と言っても、
- 新品で購入したもの
- 中古で経年劣化したもの
の2タイプが存在するためです。
考え方としては、食品や新品のものは購入した時の金額をそのまま記載して問題ありません。
細かい端数が分からなければ、500円・1,000円などざっくりした金額でも良しとされています。
一方、中古品の場合は購入時の金額ではなく、
経年劣化を考慮した金額
を記載する必要があります。
ただし厳密な金額は算出できないため、社会通念に逸脱しない金額の範囲内であれば大丈夫です。
たとえば、新品当時5万円だったブランド品の財布を3年後に海外へ送るといった場合には、やや感覚的になりますが「5,000円~8,000円」程度が妥当だと言えるでしょう。
またプレゼントであったとしても、「0円」では発送できないため注意しておきましょう。
(全ての貨物は「品物の価値」を記載しなければなりません。価格によって関税率が変わってくるためです。)
内容品欄に内容品とあわせて、金額を書いた上で、
- 贈り物の場合⇒「GIFT」
- 商品見本の場合⇒「SAMPLE, NO COMMERCIAL VALUE FOR CUSTOMS PURPOSE ONLY」
と記載してください。
特に輸入ビジネスにおいて、BtoB取引をする場合には商品サンプルを輸入するケースが多いです。
そのためサンプルを取り寄せる際には、必ず相手方(海外のメーカーや卸など)に
「SAMPLE, NO COMMERCIAL VALUE」
と記入してもらってから輸入するようにしましょう。
サンプルを輸入する際には商用輸入ではないため、関税がかからないことがほとんど(NO COMMERCIAL VALUEのため)ですが、
販売する商品を輸入する場合には当然ながら関税の支払いは必要です。
基本的に
「個人使用目的での輸入」以外の場合は商用輸入
となり、その際に発生する関税を無視してしまうと違法になってしまいますので、必ず納付するようにしましょう。
EMSラベルの記入に利用したい国際郵便マイページサービス
ここまでEMSラベルの記事を読んだ方の中には、
- えっ、ラベルを英語で記載しなければいけないなんて知らなかった
- 書くところが思ったよりも多くて複雑だと感じた
- 難しそうだから自分にはできないかもしれない
と思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかしそんな理由でEMSの発送を諦めるのはとても勿体ないのです!
実はEMSにはラベル記入を手伝ってくれる画期的なサービスが存在します。
それが、国際郵便マイページサービス(https://www.post.japanpost.jp/intmypage/whatsmypage.html)。
このサービスは、パソコン版とスマホ版のどちらも用意されており、
EMSに限らず国際eパケットライトなど
海外への発送ラベルや書類の印刷が簡単にできる仕組み
となっています。
パソコン版は、自宅のプリンターから印刷することも可能で大変便利。
スマホ版であれば会員登録しなくても利用ができるほか、郵便局にある「ゆうプリタッチ」を使用してラベルの印刷ができます。
これまでは手書きラベルを利用することが一般的でしたが、2021年1月1日より「通関電子データ送信」が義務化されたため、今後は「印刷ラベル」の利用が主流になるもの思われます。
手書きラベルでは品物が送れない、という地域もありますので、利用する際には「国際郵便マイページサービス」から印刷ラベルを利用するのが確実です。
(引用元:https://www.post.japanpost.jp/intmypage/whatsmypage.html)
ログイン方法は簡単。
上記ページからログインすると、メールアドレスとパスワードを入力する画面が出てくるので、
そこでまず仮登録を行います。
すると登録メールアドレス宛にすぐさまメールが届きますので、
メールの本文にしたがって本登録
をしましょう。
<本登録後の流れ~パソコンの場合~>
- マイページにログイン後、「送り状の作成」を選択
- 依頼主およびお届け先の情報を入力
- 発送種別と内容品の登録
- 発送関連情報の入力(総重量や発送予定日など)
- 内容を確認して登録後、印刷
<本登録後の流れ~携帯の場合~>
- マイページにログイン後、.依頼主およびお届け先の情報を入力
- 種別や内容品を登録
- 発送関連情報の入力(総重量や発送予定日など)
- ゆうプリタッチ用二次元コードの送り先を選択しメールを送信
- 届いたメールの二次元コード表示用URLをタップ(二次元コードが表示される)
- 郵便局に配備されているゆうプリタッチにかざして、ラベルを印刷
※国際郵便のラベルが印刷できる郵便局は下記から確認できます。
https://www.e-map.ne.jp/p/jppost17/?enc=UTF8&ad=&zip=&corpid=jp_005&nodecide=1&ypr=1&p_s2=https://www.post.japanpost.jp/int/index.html
パソコンと携帯の違いとしては、手順の最後がパソコンでは「印刷の画面」となるところ、
携帯では「二次元バーコード送付の画面」に変わること。
パソコン版では「自宅等でのA4印刷」となり、携帯版では
郵便局にある「ゆうプリタッチ」の利用が必要
となるため、違いに注意しておきましょう。
また、1回の差出で記載できる商品数はパソコン版だと「60個」ですが、携帯版は「3個」までとなっています。
それぞれメリットデメリットが異なりますので、用途に合わせて使い分けてもいいかもしれませんね。
そのほか、詳しい利用手順については、郵便局のホームページにて確認でご確認ください。https://www.post.japanpost.jp/intmypage/whatsmypage.html
このサービスを活用すれば、海外への品物の送付必要な項目をウェブサイト状に順を追って表示してくれるため、
EMSの利用が初めての方や苦手な方でも比較的スムーズにラベル作成することが可能。
記入内容は、手書きラベルとほとんど同じであるため、
記入にあたって不明な点は先述した
「手書きラベルの書き方」
を参考に書いてもらえれば大丈夫です。
また郵便局の窓口でも相談できるため、状況に応じて活用すると良いでしょう。
まとめ
今回の記事では、
EMSを利用する際に必要となる発送ラベルの書き方と注意点
についてまとめました。
EMS初心者にはやや難しく感じるラベル記入ですが、慣れてしまえば簡単に海外へ荷物が発送することが可能です。
また国際郵便マイページサービスなど便利なサービスも登場しているため、以前より利用するハードルは低くなりつつあります。小型の荷物を海外に送りたい場合などにはぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
国際郵便(EMS)の基礎知識はこちら
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