貿易にまつわる仕事
商社の経験がないとインポーターにはなれないのか徹底検証
日本語で長年「輸入者(業者)」と表現されてきた仕事は、近年では英語の「importer」という言葉をカタカナ表記に変え
「インポーター」
と呼ばれるケースが増えてきました。
そんなインポーターが輸入するものは、
- 食品や飲料
- 車
- 衣料品
- 雑貨
など多種多様であり、独占販売権などを取得して販売すれば
莫大な利益を得ることも可能
です。やりがいの大きい仕事ではありますが、
- チャレンジしてみたいけど経験がないから不安
- 商社や貿易会社などに勤めた経験がないと独立してビジネスするのは難しいのでは?
と感じる人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、
商社などで貿易に携わった経験がないとインポーターにはなれないのか?
という点について検証してみようと思います。
目次
インポーターとは
インポーターとは、
海外から商品やサービスなどを輸入する職業
のこと。
企業や法人に限らず、個人で輸入を行う人のこともインポーターと呼ばれています。
インポーターは、品物の購入から国内に出荷するための輸出入処理を一貫して行うことが多く(途中フォワーダーや通関代行業者をはさむ場合もあり)、商品の代金にこれらのコストおよび利益を上乗せして市場で販売するのが一般的な仕事です。
国内製造では人件費や原材料費などの面でメリットが少ない製品などを海外から輸入することで、自国で生産するよりも安い金額で商品の供給ができたり、日本国内で生産・製造が難しいものを海外から調達し、十分に市場へ供給できるため、インポーターが果たす役割は非常に重要だと言えます。
最近では、世界的にインターネット環境が普及したことで、手軽にオンラインでのショッピングが可能となり、個人レベルで海外から品物を輸入して、国内で販売するといったビジネスも盛んに行われるようになってきており、今や誰もが簡単にインポーターを目指せる世の中になってきたと言って過言ではありません。
また、「商品」を輸入することに注目されがちなインポーターの仕事ですが、実は
「サービス」や「新しい考え・価値」なども輸入することが可能
です。
たとえば、今や生活になくてはならない「コンビニエンスストア」は、海外の「フランチャイズモデル」がアイディアとして持ち込まれたものの1つ。
また、海外で流行っている「ロハス」「マクロビ」といったライフスタイルや「暗闇で鍛えるボクシングジム」「音楽に合わせて自転車を漕ぐスポーツジム」をはじめとするニュースポーツの輸入等を手掛けて、流行の仕掛け人となることもできます。
このように日本未上陸のトレンドや最新テクノロジーを海外から持ち込んでヒットさせるなど、
アイディア次第で仕事の幅が広がる点もインポーターの魅力の1つ
と言えるでしょう。
インポーターの適性
インポーター、つまり輸入者になるためには、
海外の仕入れ先とのやりとりが必須
となります。
中には「インポーターとは言うものの、要は国内で言う「転売」や「せどり」などのビジネスと同じようなものだろう」と考えている人もいるかもしれませんが、輸入ビジネスを事業として確立したいのであればそれらとは異なるマインドセットが必要。
インポーターの仕事は
「海外から商品を仕入れること=貿易をする」
ということですので、国内だけに留まるビジネスでは必要のない、
- 通関や関税
- 規制品
- 法律(国際法や条約含む)
などの知識が求められるのです。
このように書くと、インポーターの仕事はとてもハードルの高いビジネスに感じられるかもしれませんが、実は
ほかのビジネスと比べてもかなり参入しやすい職種の1つ
でもあります。
その理由としては、
- 比較的少ない資金から始められる(※取り扱う商品によります)
- やり方さえしっかりしていれば、長期間稼げるビジネスモデルである
- 独占販売権を得て、日本の総代理店になることで、市場を独占できる
- 英語がペラペラに話せなくても、売買という目的がはっきりしているのでメーカーとも交渉しやすい
- 特別なスキル、資格、免許が不要であり、税関手続きなどは業者に代行してもらえる
- 海外は日本のような肩書社会ではないため、小規模経営であってもフェアな交渉相手として見てもらえる
- BtoBがメインのビジネスであれば、高い粗利益率を維持できる
といったものが挙げられるでしょう。
またインポーターの仕事において、特定の品物(アルコール類、医薬品など)を扱う際には国内での販売免許等が必要となる場合がありますが、
それ以外のものについては自由に輸入可能なケースが多い
ため、必ず取得しなければいけない資格などもありません。
そのため、インポーターとしてビジネスに携わる際に、最低限備えておくべきこととしては、
- 輸入ビジネスをやろうという強い意志
- 貿易に関する知識
- 外国の価値観や慣習などに寄り添える心
- スケジュール・資金・商品などの管理を徹底できる力
- 英語力(使えれば役立つが、できなくてもなんとかなる)
などがあると良いでしょう。
インポーターになるために商社の経験は必要か?
インポーターになるために最低限必要なこととして「貿易に関する知識」を挙げると、
- 貿易に携わってた経験がないため自分には難しいのではないか?
- 商社などで働いた職務経験がないと厳しいのでは?
- 素人がいきなり始めるのはハードルが高すぎる
と感じる人もいるかもしれません。
しかし商社の経験が無くても始められます。
実際、商社の経験どころかまったくのビジネス初心者である主婦や学生でもインポーターとして活躍している人もいますし、
ビジネスを実践しながら知識を着けていくことも十分可能
です。
また先述したように、近年急速にインターネット環境が普及したこともあり、海外通販サイトから直接仕入れを行ったり、オンラインの海外展示会などへ参加したりすることも、比較的簡単にできるようになりました。
英語ができなくてもグーグル翻訳や翻訳アプリを利用することで、単純な文章ならば意味を理解することも難しくありません。
ですので経験がないからといって諦めるのは非常にもったいないことです。
「できないからやらない」のではなく、
「どうやったらできるようになるか?」を考えることが、インポーターとして活躍できる近道
になることでしょう。
とは言え、一人でやるのは心細い、輸入ビジネスの基本を教わりたい、という方には、経験と実績が豊富な輸入ビジネスの専門家
「輸入ビジネスアドバイザー」に手を借りるのも1つの手
です。
セミナーを受講する場合はこちらからお申し込みください。
インポーターとして実際にビジネスを始める方法
インポーターになることを決めたら、
どんなビジネス形態で経営を行うか
をまず決める必要があります。
初心者が始めやすい方法としては、海外から商品を仕入れてメルカリやヤフオクなどで個人へ販売するといった「BtoC」の手法が挙げられるでしょう。「BtoC」では、少額から商品を仕入れることが可能であり、低リスクでビジネスを始められます。
ただし「BtoC」の手法は、価格競争に巻き込まれやすく、より多くの商品を販売しないと利益を回収できない可能性も。
また「この商品は絶対に売れるだろう!」と確信して大量に仕入れても、トレンドが終わってしまい大量に在庫が余ってしまうことも考えられます。そのため「売り切り型商売」になりやすく、常に目新しい商品を探す続けることが必要です。
「BtoC」は誰でも参入しやすいビジネスモデル
ではあるものの、
- 流行に左右されやすい
- 飽きられやすい傾向
があるため、長期的に結果を出し続けるのは難しいと言えるかもしれません。
Amazon輸入ビジネスについてはこちらの記事を参考にしてください。
一方、企業を対象にした「BtoB」モデルでは、インポーターが
業者(主に小売業)に向けて商品やサービスを卸す
のが一般的。小売業以外には、ホテルにアメニティや什器を卸したり、玩具メーカーに海外の玩具を紹介したりするケースもあります。企業に向けた販売となりますので、個人へ販売するよりもはるかに取り扱い量が多く、販売規模も数百万~数千万円単位で動く場合がほとんどです。時には億を超える取引となることもあります。
「BtoB」から始めることもできますが初心者の場合は、
「BtoC」モデルで経験を増やし、ゆくゆくは「BtoB」モデルを狙うようにする
と、ビジネスを大きく伸ばしていくこともできるでしょう。
まとめ
今回の記事では、
商社の経験がないとインポーターにはなれないのか?
という視点で話を展開してきました。
結論から言えば、
商社の経験が無くても十分インポーターとして活躍することは可能
です。
もし
- 会社に属さず自分で輸入ビジネスをやってみたい
- 商社に勤めた経験はないけどインポーターにチャレンジしてみたい
- 自分で働いた分は全部自分の利益にしたい
という場合には、こちらのセミナーにお越し下さい。