輸入ビジネスで注意したい7のリスク
ビジネスにはリスクは付き物。
当然、輸入ビジネスにおいても注意すべきリスクがいくつか存在しますが、事前に対策をしておけばリスクヘッジできるものも多くあります。
そこで今回は
輸入ビジネスで注意したい7つのリスクと、リスクの回避方法
について詳しく解説していきます。
目次
輸入ビジネスにおけるリスクとは?
輸入ビジネスにおいて、最終的に利益を得るところにまで辿り着くには、様々なリスクが生じます。
中でも誰もが「輸入ビジネスのリスク」として思い浮かぶものとしては、
規制品(条約や規定)のリスクや法律のリスク
が挙げられるのではないでしょうか。
確かに規制や法律を理解しないまま輸入ビジネスを始めるのは言語道断。しかし正しい知識さえ持っていればリスクとはならず、むしろ自分のビジネスを守り、助けるものとして役立ってくれます。
よって、ここではリスクとして取り上げることはしません。
条約や規定、法律のリスクに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
①貿易を始める前に、知っておくべき法律と規制
②【事例】輸入に関する法律・規制を調べ失敗を防ぐ
では、輸入ビジネスにおけるリスクとは一体何を指すのでしょうか?
輸入ビジネスで一般的にリスクと呼ばれるものは、
- 品質のリスク
- 輸送のリスク
- 為替のリスク
- 在庫のリスク
- 品物が受け取れないリスク
- 文化的リスク
- 詐欺のリスク
の7つです。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
品質のリスク
輸入ビジネスの中で最もリスクだと考えられるものの1つが
「品質」
です。
日本国内の通販やサービスにおいて、注文したものと違うものが送られてくるということはほとんど無いため、感覚として「違うものが届く」ことに慣れていない方も多いはず。
しかし輸入ビジネスでは、
仕入れた商品の品質が悪かったり、不良品であったりするケース
も少なくありません。また、「色見が違う」「サイズが違う」といったことも頻繁に起こり得ます。
あえて言えばそれはリスクではなく、文化的・慣習的な違いによって起こり得るものです。
国が異なる相手と日本に住む自分の感覚は違う
と心得てビジネスに臨みましょう。
輸送のリスク
輸入ビジネスにおいて購入した商品は海外から空輸または船便で送られるケースがほとんどです。
そのため輸送時に破損や水濡れなどが起き、商品がそのままでは販売できなくなることもあります。
これらは日本に到着して初めてわかるリスクとなるため、「誰が責任を負うのか?」トラブルに発展しやすいケースでもあります。
こうしたトラブルには、
インコタームズ(売主と買主の責任を明確にする貿易条件)や海上保険を利用
し、万が一のリスクに備えるのが得策です。
為替のリスク
為替は常に変動しています。
そのため急に円高もしくは円安になったりすることも多く、契約時点と実際に支払いを行う際にはレートが異なる可能性もあります。
為替が変動すると、当然ながら収益にも差が生じます。わずか1円であっても、取引額によっては膨大な差額が生じる可能性があるため、
常に為替の動向を意識しながらビジネス展開をする姿勢
が求められるでしょう。
在庫のリスク
輸入ビジネスに限らず、物を売るサービスを行っている場合には、ビジネスサイクルがうまく回らないと膨大な在庫を抱えてしまう可能性があります。しかし現在では自分で倉庫などを借りて在庫を保管するモデルより、他社の倉庫でまとめて在庫を保管してもらうケースが一般的になりつつあります。
そのため、売れなくても自宅が在庫だらけになるということはほとんどありませんが、
- 他社倉庫で保管する場合には費用が発生する
- 収益が上がらないと赤字になる
といったリスクがあることに変わりはありませんので、
必要以上の在庫を抱えないこと
が大切です。
ただしビジネスモデルによっては、在庫=リスクではないケースもあります。
詳しくはコチラの記事を参考にしてください。
品物が受け取れないリスク
最近ではインターネットが発達し、取引相手と直接顔を合わさなくともオンライン上だけで商談が成立するケースも増えてきました。
しかし輸入ビジネスにおいて
オンライン上だけでやり取りを済ませることは大変危険
です。
なぜなら、
- 金銭を振り込んだだけで商品が送られてこない(詐欺)
- 商品は届かないのに個人情報だけが盗み取られてしまう
- 取引した会社が倒産してしまい連絡が途絶えてしまった
といったケースも実際には存在するからです。
そのためオンラインミーティングやメール、電話といったツールだけで商談を済ませず、
取引相手とは必ず「直接」顔を合わせること
をおススメします。特に展示会に出しているような業者であれば信頼性が高いため、そうした機会を積極的に活用するようにしましょう。
文化的リスク
品質のリスクでも触れましたが、輸入ビジネスにおける取引相手は外国人がメインであることがほとんどです。そのため、日本人としての感覚と取引相手の感覚が異なるケースは数多くあります。
たとえば、
- 「すぐに確認する」と言われたが、連絡がきたのは2週間後だった
- 連絡が取れなくて心配していたら1ヶ月の長期休暇(バカンス)だった
- 縫製が甘いと指摘したら「これが最上のクオリティだ」と突っぱねられた
- こちらは平日のつもりで連絡を取っていたが、現地では休暇期間だった
など、時間、休日、品質など様々な概念において、日本人との違いが存在します。
また
宗教的、政治的、文化的理由から相容れない部分やタブーな話題
などもあるでしょう。タブーを口にすることで、商談相手から信頼を失ってしまったりパートナーシップがうまく築けなかったりする可能性もあります。
輸入ビジネスにおいては、日本人としての感覚を前面に押し出すのではなく、
相手の国の文化を尊重しつつ上手に関係を築いていくこと
が大切です。
詐欺のリスク
国際的な詐欺の手口は年々巧妙化しており、輸入ビジネスにおける詐欺被害も複数報告されています。海外詐欺については国内でも以下のようなサイトで啓発が行われているものの、知らず知らずのうちに詐欺に巻き込まれてしまうケースもあります。
【海外詐欺の事例が知れる国内のウェブサイト】
・消費者庁の「海外詐欺サイト一覧」
インターネットをめぐる消費者トラブル | 消費者庁 (caa.go.jp)
・JETRO
ジェトロ(日本貿易振興機構) | ジェトロ (jetro.go.jp)
・econsumer.gov
econsumer.gov: eConsumer – 国境を越える詐欺をオンラインで報告してください!
国際的な詐欺に遭った場合
ほぼ100%の確率で現金が返ってくることはありません。
しかし、事前にリスクヘッジをしておけば「詐欺に遭わなくて済む」または「被害を最小限に抑えられる」ことも可能です。
国際的な詐欺の手口や対処方法については別の記事にまとめていますので、詳しく知りたい方はこちらを参考にしてみてください。
輸入ビジネスにおけるリスクの回避方法
輸入ビジネスにおけるリスクを回避するためには、貿易保険や海上保険の利用、安全な決済方法の利用など、様々なリスクヘッジの方法が考えられます。
ただし、輸送時の大規模な破損や為替の急変動など突然のトラブルを除いては、
多くのリスクが事前の知識や対処によって回避できるもの
ばかりです。
リスクだからと恐れるのではなく、正しい知識と適切な対処法を知っておくだけで、リスクを大幅に軽減させることもできます。
ただ、こういったリスクは
正しい知識とノウハウを持った専門家から「輸入ビジネス」を教われば、遭遇することはまずありません。
あったとしても、適切な対処ができることでしょう。
相談をすることで、余計な回り道をせず、すんなりビジネスがスタートできるに違いありません。
まとめ
今回の記事では輸入ビジネスにおける7つのリスクについて解説してきました。
リスクと聞くと、不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、正しい知識さえあれば事前に回避できるリスクも数多くあるため、ナーバスになりすぎる必要はありません。
「挑戦しないこと」が最も恐るべきリスク
なのです。