輸入ビジネスにおいて在庫を抱えないための方法
在庫を抱えることなく受注から決済までを行える「無在庫販売」という言葉を聞いたことがありますか?
「無在庫」という言葉を聞くと、「在庫を抱えないで商品を販売できるなんて、なんて最高の販売手法なんだ!」と魅力的に映る方もいるかもしれません。
しかし輸入ビジネスにおいて、実際に在庫を抱えずにビジネスをすることは可能なのでしょうか。
そこで今回は
輸入ビジネスにおいて在庫を抱えないための方法
について深く解説していきます。
目次
輸入ビジネスで懸念される在庫リスク
昨今インターネットが普及してパソコンやスマートフォン1つあればビジネスが始められるようになり、どこでもネットショップ運営ができるようになりました。
しかしモノを販売するビジネスモデルを展開する際には、「在庫のリスク」が懸念されます。
物販を始める方の中には
- 部屋中が在庫だらけとなってしまったらどうしよう
- なるべく在庫を持ちたくない
と考える方もいることでしょう。
実際、輸入ビジネスの初心者には、
- 商品や市場のリサーチを十分にしない
- 多くの利益が見込めそうだという安易な理由で同じ商品を一度に大量に輸入
- 海外のメーカーから定期的に商品が送られてくるような契約を結んでしまう
そういった方が多くいます。
大量の在庫が生まれてしまう原因としては
- そもそも日本その商品自体に需要が無い
- 販売サイトの利用者層やニーズと販売商品がミスマッチ
- 同じような商品を販売している競合ショップが多い
- 商品の価値と値段が釣り合わない
- 潜在ニーズが掘り起こせていない
- ショップ自体に魅力がない
といったものが挙げられます。
在庫を限りなく減らすためには、
市場のリサーチが絶対的な条件
であり、
ここを見誤ると大量の在庫を抱えるだけでなく、資金難に陥ってしまったり、最終的には倒産や廃業を余儀なくされたりする場合もあるため、注意が必要です。
また売り手側が「これは売れる!」と感じても、
最初から大量に仕入れることは避け、人気送品を少量から扱って、資金を徐々に増やす
のが良いでしょう。
輸入ビジネスで無在庫販売はできる?
無在庫販売とは、「在庫を抱えずに販売をするモデル」のこと。
ECサイト等で商品の写真だけを掲載して、実際に購入された商品のみを仕入れ先やメーカーに発注するという仕組みになっています。
ネットショップなどでよく見かける、
- 受注販売
- お取り寄せ商品
- 購入後14日以内にメーカーから発送
といった文言も、基本的には無在庫販売と同じシステムです。
無在庫販売は、在庫を持たなくて良いというメリットはあるものの、
- 在庫の確約が出来ないのに本当に販売していいの?
- そのビジネスモデル自体に違法性はないのか?
といった不安を抱く方もいるでしょう。
しかし無在庫販売というモデルは、輸入ビジネスに限らず様々な業種でも行われているためそれ自体が違法というわけではありません。
ただし、すぐに商品が欲しいというお客さんに対して「今すぐお届けできます」などと偽って販売することは違法(詐欺)にあたる可能性もあります。
またECサイトでは独自の規約に「無在庫販売は禁止」と明記しているところもあるため、メルカリやラクマ、ヤフオクなど特定の媒体を利用する場合には
無在庫販売を行えるかどうかを必ず確認
しましょう。
規約違反になった場合には、商品が販売できなくなるばかりかアカウントの停止や登録の抹消などのペナルティが課される場合もあるので、「無在庫販売モデル」で勝負するなら、あくまでも自己責任であるという前提で販売することが重要です。
輸入ビジネスにおける無在庫販売のデメリット
在庫を持たず、購入確約後に商品が仕入れ先やメーカーから発送されるという夢のような販売方法に見える無在庫販売ですが、当然デメリットも存在します。
たとえば、
- 在庫が無いので当日発送や翌日発送に対応できない
- 海外から直接購入者へ発送される場合、商品の状態を確認することができないため、不良品があったときなどにショップの信頼性が損なわれる場合がある
- 海外からの直接配送の場合、関税を購入者に負担してもらわなければならない
- 海外メーカーから商品を手元に取り寄せ、検品した後に購入者へ発送する場合には、商品の到着までに時間がかかるだけでなく送料や人件費などのコストが発生する
といったデメリットがあります。
そのため輸入ビジネスで無在庫販売を行う場合には、
在庫以外でリスクを抱えることになるという点と、売り手側の在庫リスクが無くなる分「お客様の負担」が増えてしまうこと
も加味したうえで、販売をしなければなりません。
実は輸入ビジネスで在庫を抱えることはリスクではない
実際、物販で失敗する企業の多くが「仕入れで失敗し、多くの在庫と多額の借金を抱えて倒産する」と言われることもあり、在庫を抱えることはリスクだという考えが普及していることは事実です。
しかし、本当に在庫を抱えることはリスクなのでしょうか?
その答えは、
あなたのビジネスモデルが「BtoC」なのか「BtoB」なのか
によって変わってきます。
BtoCモデルとは?
まず「BtoC」とはBusiness to Consumerの略であり、
企業などが一般消費者に向けて商品の販売をすること
を指します。Amazonやメルカリを使った物販なども、その多くは「BtoC」モデルです。
「BtoC」では数百円の商品など比較的単価の安い商品が多く、ビジネス初心者でもチャレンジしやすい反面、いかに商品を多く販売するかという点が重視されたり、同じ商品を継続的に売り続けるのは難しいといったデメリットがあります。
BtoBモデルとは?
一方「BtoB」はBusiness to Businessの略で、
企業間の取引
を意味しています。企業が企業に向けて商品やサービスを卸すのが一般的で、卸す先は小売業などがメインととなります。
他にも、ホテルにアメニティや什器を卸したり、玩具メーカーに海外の玩具を紹介することなども「BtoB」のカテゴリーに入ります。そのため販売規模も数千~億円単位になることが多くあります。
「在庫=悪」なのか?
このように比較すると、確かにBtoCのビジネスでは「安く大量に仕入れた商品をいかに売り捌くか」という視点が必要となるものの、BtoBにおいてはそもそもビジネスモデルが異なるため、「在庫=悪」という考え方は通用しません。
なぜなら
在庫は何倍の価値にも化ける、ある種の「投資」
であるからです。
BtoBで1億~10億といった単位でのビジネスをする場合には、在庫は決してリスクとはなりません。大きなビジネスを目指せば目指すほど、多少の在庫は取引先への責任として抱えておくべきなのです。
せっかく売れたのに在庫が無かった、すぐに対応できなかったというのであれば、取引が1回で終わってしまったり、信用を無くして商機を逸したりする可能性があります。
それは舞いこんできた大きなビジネスチャンスを逃すということでもあり、それこそがビジネスにおける最大のリスクになるのではないでしょうか。
それでも「在庫のリスクを抱えたくない」という場合には、
発売日に販売する数をあらかじめ決めておき必要な分だけオーダーを取る
ようにすれば、在庫の心配なくビジネスを展開できるでしょう。
まとめ
今回は、輸入ビジネスで無在庫販売ができるかどうかという点について解説しました。
ビジネスを始めるのであれば、リスクを避けて通ることはできません。無在庫販売では在庫を抱えるというリスクは排除することができても、店舗の信頼性や配送スピードといった面でのリスクはかえって高まることになります。
そのため「輸入ビジネスにおいて在庫は絶対に抱えたくない」と考えるのではなく、
「ビジネスにはリスクは付き物である」というマインド
に切り替え、自分のビジネスモデルを未来的思考で見直してみましょう。
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