FCLとは「Full Container Load」の略であり、端的に言えばコンテナを一人の荷主のみで使用する輸送方法のことです。

コンテナには大きさによって3つの種類に分けられますが、いずれの場合でもコンテナ内を独占することができるというメリットがあります。つまり、荷物の配置なども自由に決めることができるので、他の荷主に配慮する必要がないのです。混載便の場合だと、合積みが発生するので貨物がダメージを受ける可能性も否定はできません。丁寧に運搬したいときには、FCLは大きなメリットとなります。搬入の際にも手順がシンプルなので、荷物を船から素早く下ろすことが可能となります。コンテナから貨物を取り外す作業「デパニング」が不要で、コンテナのまま配送することができるのです。

その一方で、デメリットも存在します。積荷の量が少ない場合にはデッドスペースが発生してしまいます。そのため貨物量に対して輸送コストが高いてしまうこともあります。そしてFCLによって輸入する場合は、コンテナから倉庫まで輸送する際のドレージ料金も発生します。

つまりFCLは、コスト面よりも安全性や速達性を優先したい場合に有効な手段だと言えます。