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輸入ビジネスをやるなら知っておきたい食品衛生法の知識
輸入ビジネスをするにあたって見逃すことのできない重要な法律はいくつかありますが、
その中でも特に注意したいものの1つが
「食品衛生法」
です。
「食品」と言っても、「口にする食べ物」だけを指すのではなく、おもちゃや調理器具なども対象となるため、輸入する商品が法律に抵触しないかどうかはしっかり確認しておく必要があります。
そこで今回は、
食品衛生法の概要
について詳しく解説するとともに、
輸入手続き方法や違反事例
関連する法令
についてもご紹介していきます。
目次
食品衛生法とは
食品衛生法とは、食品の安全性を確保し、国民の健康保護を図るために食品衛生に関する国や自治体・食品関連事業者の責任を明確にするとともに、食品などの規格や基準、規制を定めた法律です。
この法律において、輸入者の責任は国内の製造者や販売責任者と同等だと見なされており、
食品関係の輸入に携わる個人および企業にとって最も重要な法律
と言っても過言ではありません。
食品関係を所管する厚生労働省では、食品衛生法に違反する食品や違反する可能性が高い品物については、回収や営業停止などの処分を下すことがあります。また食品表示に関する所管は消費者庁であり、
「食品表示法」や「食品安全基本法」などに基づき厳しく規制
がなされています。
そのためこれらの法律に則って輸入・販売しなければ、
- そもそも国内に持ち込むことができない
- 輸入はできたものの、販売ができない
といったことにもなりかねませんので、注意しましょう。
食品衛生法の詳しい詳細は下記から確認可能です。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000233
食品衛生法の対象
そんな食品衛生法の対象となるものには、
- 食品
- 調理器具
- 乳幼児向けおもちゃ(※おおむね6歳未満)
が挙げられます。
「おもちゃ」が入っていることに驚かれた方もいるかもしれませんが、
乳幼児期はおもちゃをよく口に入れたり、なめたりする
ことがありますので、そうした背景を踏まえて食品衛生法の対象の1つとなっているのです。
「おもちゃ」の例としては、
- おしゃぶり
- シャボン玉(吹き出し具が付いているもの)
- 歯固め
- ラッパ
- ハーモニカ
- 玉落とし
- ねんど
- ままごと道具
- ブロック
- パズル
など実に様々なものが挙げられます。
そのため「おもちゃは輸入が簡単そう」「仕入れやすそう」と安易に考えず、
きちんと法令を確認してから輸入する
ように心がけましょう。明らかに乳幼児向けでなく、口に入れる心配がない商品であれば、対象年齢を上げて取り扱うというのも方法の1つです。
食品衛生法の輸入手続き
食品衛生法の対象となる品物を仕入れるためには、
輸入届出書
が必要です。
必要な書類が用意出来たら、検疫所へ輸入届を提出し、検疫所の審査を待ちます。
品物の検査が必要になった場合には、
- 命令検査
- 自主検査
- モニタリング検査
などを受け(状況によってどの検査になるかは異なります)、合格すれば
「食品等輸入届出済証」
が発行されます。
万が一、不合格となった場合には廃棄や積み戻し等を行う必要があり、国内に持ち込んだり販売したりすることはできません。
検疫や食品関係の輸入に関する相談については、各検疫所でも受け付けています。
https://www.mhlw.go.jp/general/sosiki/sisetu/ken-eki.html
食品衛生法の違反事例
では食品衛生法に違反した事例にはどのようなものがあるのでしょうか?
輸入食品等での実例を見ていきましょう。
無加熱摂取冷凍食品・ティラミスの輸入
イタリアからティラミスを輸入しようと思ったが、
製造工程における衛生管理不足から成分規格不適
となり、廃棄・積み戻し等を指示された。
菓子類(INSTANT FOOD MIXES BHELPURI(※インドの辛みの効いた軽食))の輸入
インドからベルプリを輸入しようとしたが、
原料における管理不足により指定外添加物が検出
されたため、廃棄・積み戻し等を指示された。
スナック菓子・ポテトチップスの輸入
アメリカからソルト&ビネガー味のポテトチップスを輸入しようとしたが、
製造工程による管理不足で指定外添加物が検出
されたため、廃棄・積み戻し等を指示された。
その他違反事例については、厚労省のホームページからも確認できます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yunyu_kanshi/ihan/index.html
食品やおもちゃを輸入しようと考えている方は、過去の違反事例なども参考にしながら、適切に輸入ができるように準備しておきましょう。ただし食品の場合、
製造過程での管理不足や、輸送途中での腐敗
などもあるため、輸入者だけでは解決できない問題もあります。
食品衛生法以外に食品に関連する法令
食品にまつわる法令は食品衛生法以外にも複数存在しており、食品を輸入・販売したいと考えるならどれも見逃すことができません。
食品にまつわる代表的な法律には、次のようなものがあります。
食品表示法
食品表示法は、食品の表示が「食品を摂取する際の安全性」および「自主的かつ合理的な食品選択機会」の確保に重要な役割を果たしていることに鑑み、
販売される食品に関する表示について必要な事項を定めた法律
になります。法改正に伴い経過措置期間が設けられていましたが、2020年4月より新たなルールが定められた「食品表示法」に完全移行されました。
アレルギー表示に係るルールが変更となっていたり、機能性表示食品が新設されたりと、変更点も多いため、必ずチェックしておきたい法律です。
法令の詳細は下記よりチェックできます。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000070
景品表示法
表示上のトラブルや消費者に与える影響を考慮して作られた法律が「景品表示法」
です。
景品表示法は、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」と言い、実際の効果より誇張した表示や過大な景品付き販売によって、本来は質の良くない商品やサービスを消費者が購入してしまい、不利益を被ってしまうのを防ぐことを目的としています。
景品表示法についてはコチラの記事も参考になります。
薬機法
正式名称を「医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確立等に関する法律」と言い、
医薬品や化粧品などの取扱や販売、表示などについて定めた法律
です。医薬品成分が含まれる食品も対象となっています。
こちらにも表記に関する細かい規定がありますので、見逃さないようにしておきましょう。
薬機法についてはコチラの記事でも詳しく解説しています。
まとめ
今回の記事では、
食品衛生法の概要
輸入手続き方法や違反事例
関連する法令
について、詳しく解説していきました。
食品は人の口に入るものであるため、様々な法律によって規制や規定が設けられています。これらに違反してしまうと、輸入・販売ができないばかりか、
営業停止処分となったり、営業許可(免許)そのものが取り消されたりする可能性
もあるため注意が必要です。
そのため「輸入をやってみたいけど、自分一人では難しそう・・」「おもちゃの輸入に関するノウハウを知りたいけど、誰に聞けばいいかわからない・・」などの不安がありましたら、ぜひ一度コチラまでご相談ください。
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