国際郵便(EMS)
クールEMSって知ってる?サービスや料金、利用方法まで徹底解説
外国へ冷蔵品や冷凍品を発送したいと思ったことはありませんか?
そんな時、
- でも・・海外にクールで品物を送ることってできるの?
- 海外へクール便で配送したら高額を請求されてしまうんじゃないか?
といった不安を抱えてしまう人は多いのではないでしょうか。
しかし、郵便局のクールEMSであれば、比較的手ごろな金額で簡単に海外へクール便を送ることが可能です。
そこで今回は、
クールEMSのサービス概要や料金体系
利用手順
などを詳しくご紹介します。
目次
クールEMSの特徴とサービス内容
クールEMSとは、
郵便局によって行われているサービス
であり、海外へ生鮮食品やお菓子などを送る際に利用することができます。
食品以外にも
- 検体
- 試料
- 標本
など低い温度の元でしか管理することが難しいものも送付の対象です。
具体的には、保冷が必要な荷物を
「冷蔵では、0~10℃」・「冷凍では、-15℃以下」
で発送が可能。小口配送かつ低コストで、鮮度や美味しさを保ったまま、最速で海外に送り届けてくれます。
(※ただしコロナ禍では、ユーザーに案内しているお届けまでの保冷期間72~80時間での確実な配送保証できないことから、一部の国や地域宛のクールEMS配送は停止されている場合があります。利用する場合には、配送可能な地域となっているかどうかを確認してから利用してください。)
クールEMSの特徴としては、
- 独自の専用保冷ボックスと物流システムにより、72~80時間低温をキープしながら配送してくれる
- 全対象地域に最短翌々日配送が可能
- 数量や荷物の大きさに合わせて3サイズ(S/M/L)から梱包資材を選べるため、低コストでの配送を実現
といったものが挙げられるでしょう。
従来のクール荷物の配送では、
通関や輸送、配達のたびに外気に触れなければならず、低温管理が難しい
といったデメリットがあり、
- 海外にクール品を送るのは難しい
- 品質が保たれにくい
といったイメージがありました。
しかしクールEMSでは、保冷ボックスで引き受けられた荷物は
外気に触れることが一切なく、低温をキープしたまま配送が可能。
品質を落とすことなく、スピーディに送り先まで届けられるようになっているため、安心して配送を依頼できます。さらに
小口配送が可能
なため、小規模事業者でも気軽に利用できるのが嬉しいポイントです。
クールEMSの対象地域および配送条件
2021年4月時点でのクールEMSの対象地域は、
- 台湾
- 香港
- ベトナム
- タイ
- マレーシア
- シンガポール
- インド
- フランス
の計8か国となっています。
ただし、
これらの国の全ての地域(いわゆる市町村)へ配送が可能というわけではありません。
たとえば、
- ベトナムであればハノイ市やホーチミン市の一部
- マレーシアであればクアラルンプール市およびペタリング・ジャヤ市
となっており、配送地域はかなり限定的です。またインドでは、
肉製品・卵・乳、乳製品・動物性ペットフードは発送不可
となっているなど、国によって
- 発送条件
- 重量
- 予約締切日・時刻
- 差出日
などが細かく定められているため、
送り先ごとに確認が必要
となります。
【クールEMSの配送条件を調べるならこちら↓】
日本郵政クールEMS https://www.post.japanpost.jp/int/ems/cool/
さらに、クールEMSは
全国どこの郵便局でも発送できるというわけではない
ので注意が必要です。
クール郵便局を取り扱っている郵便局は、日本郵政のホームページに掲載されている『クールEMS取扱い郵便局一覧(https://www.post.japanpost.jp/int/ems/cool/postofficelist.pdf)』にて確認ができます。
クールEMSの料金
クールEMSの料金は、冷凍タイプと冷蔵タイプによって異なるほか、
送り先の国や重量
によっても金額が変わってきます。
重量や大きさに関しては、
- 冷蔵→15㎏まで(最大ボックス:長さ51㎝・幅38㎝・高さ20㎝ ※そのほか中・小ボックスあり)
- 冷凍→10㎏まで(最大ボックス:長さ51㎝・幅38㎝・高さ20㎝ ※そのほか中・小ボックスあり)
となっており、冷蔵のほうがやや多めに送ることが可能です。
料金に関しては、冷蔵の場合2㎏までの大ボックスであれば、
- 台湾までだと9,700円
- 香港までは10,500円
など、リーズナブルな価格となっています。しかし、フランスに送る場合は大ボックスの場合23,100円となっており、
アジア地域に送る場合の2倍近い料金になる
ことを覚えておきましょう。
また冷凍の場合は、1㎏までの大ボックスは
- 台湾まで11,300円
- 香港までは12,100円
フランスに送る場合は、1㎏までの大ボックスでは27,000円、10㎏となると38,700円となり冷蔵同様に高額となります。
そのほか詳しい金額については、日本郵政のホームページより確認が可能です。
https://www.post.japanpost.jp/int/download/coolems-charges.pdf
クールEMSのメリットデメリット
ここまでの話をまとめると、クールEMSのメリットとしては
- 小口配送に対応している
- 翌々日までには対象地域に配達してくれる
- 比較的リーズナブルな金額でクール便が配送できる
といったものが挙げられます。
一方デメリットとしては、
- クールEMSを送れる日本国内の郵便局が限られている
- 送付できる国や地域が限定的である
- 送付にあたって細かい条件が設けられている
- 重量や重さによっては非常に高額となる場合がある
- コロナ禍などの影響で流通が滞ると、低温を長時間キープできる環境の確保が難しくなり輸送サービス自体ががストップする可能性がある
などが考えられます。
一見するとデメリットが多いように感じますが、わりと
安価な金額で冷蔵・冷凍品を送る場合には非常に便利なサービスである
ことから、配送したい国や地域がクールEMSのサービス対象エリアである場合には、積極的に利用したいサービスだと言えるでしょう。
クールEMSの利用方法
クールEMSを利用するためには、
まずはじめに
- 取扱い国や地域別の条件
- クールEMSの料金
- 取扱い郵便局、引き受け可能な曜日
- 発送可能日
の確認を行います(全て日本郵政のホームページから確認可能)。
これが終わったら、いよいよ発送の手続きです。
手順としては、
- 事前予約申し込み書を記載
- 差出希望日の5日前の正午までにFAXで申込書を送る
- 申込締め切り日の翌日までに郵便局から連絡が入る
- 予冷と梱包準備を行い発送する(香港、ベトナム、タイ宛は原産地証明告知書が必要)
となります。
クールEMS用の原産地証明告知書は日本郵政のホームページにフォーマットがあります
(https://www.post.japanpost.jp/int/ems/cool/declaration.pdf)ので、そちらを使用しましょう。
またEMSの運送状ラベルについては、2021年1月1日より
通関電子データ送信が義務化
されており、国際マイページサービス(国際郵便マイページサービス | 日本郵便株式会社 (japanpost.jp))を利用したEMSラベルの使用が一般的です。利用する際にはぜひ活用してみて下さい。
まとめ
今回の記事では、
クールEMSのサービス概要や利用条件、料金、利用手順
について詳しく見ていきました。
クールEMSは配送地域は限定されるものの、対象エリアにクール便を送るには大変便利なサービス。個人利用では単身赴任中のお父さんに日本の料理を送ることもできますし、法人利用では日本から海外のレストランへ新鮮な魚介類や肉類を届けることも可能です。
このように「クール商品を発送したい」と思った時には、ぜひクールEMSを検討してみてはいかがでしょうか。
国際郵便(EMS)についてはこちらの記事も参考にしてください。