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輸入ビジネスをやるなら知っておきたい薬機法の知識
輸入ビジネスで要チェックな法律はいくつか存在しますが、その中でも特に注意すべき法律の1つが
「薬機法」
です。
薬機法と聞くと、「医療品や医薬品だけだから自分には関係ない」と思う方もいるかもしれませんが、表現方法などで、知らず知らずのうちに違反してしまう可能性のある法律です。
輸入ビジネスに携わる人なら必ず理解しておいたほうが良い法律となります。
そこで今回は、
薬機法の概要や対象
注意したい表現
輸入手続き方法
などについて詳しく解説していきます。
目次
薬機法とは?
薬機法の正式名称は、「医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確立等に関する法律」であり、略して「薬機法」「医薬品医療機器等法」などと呼ばれます。
この法律では、「医薬品や医療品、化粧品などを正しく売る」ために、
過剰な効能効果を謳ったり、行き過ぎた表現で販売したりすることを禁止
しています。
中には「薬事法」という名前で覚えている方も多いのではないかと推測しますが、実は2014年に薬事法が改正されたのと同時に、名称も「薬機法」へ変更となりました。
そのため
2021年現在、「薬事法」という法律は日本には存在しません。
法律の内容についても、過去のもの(薬事法)とは変わっている部分が複数あります。
ネット記事や書籍などを調べる際に、誤って「薬事法」と検索してしまうと過去の法律が出てきて混乱してしまう可能性もあるため、輸入ビジネスに携わる方は必ず「薬機法」という名称で覚えておくようにしましょう。
薬機法に関する詳しい条文については、下記より確認することが可能です。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000145
薬機法の対象となるもの
薬機法の対象となるものは、
「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」など
がありますが、これだけだとイメージしづらいと思う方もいらっしゃることでしょう。
これらをかみ砕いて、具体的に例を挙げるとするならば、
- シャンプー、リンス
- 歯磨き粉
- ボディソープ
- 石鹸
- 素肌をきれいにする化粧品類
- 毛髪を健やかに保つもの
- 美容雑貨
- コンタクトレンズ
- 体温計
- 健康器具
- 医薬品成分の含まれる食品類
などがあり、実に多種多様なことが分かります。
一見すると「医薬品」や「化粧品」とは思えない美容雑貨や健康器具、食品といったものも含まれているため、
輸入や販売をする場合には、
薬機法の対象となっていないか?法律に抵触しないか?といった点の確認
が必要です。
注意したい表現
薬機法の注意したいポイントは、「対象となる品物」や「機能面」だけではありません。
場合によっては、
化粧品や医療品などの販促の際に使われる「表現」
についても、規制の対象となる可能性があります。
たとえば、
- 「ガンの症状に効果テキメン」「病気が治る」
- 「皮膚に潤いを与える」「シミが消える」
- 「すぐに10㎏痩せる」「ストレス解消に効果的」
といったように、薬や健康器具などに関わらず、効果効能を謳ってしまうと薬機法の対象となるのです。
輸入ビジネス従事者の中には、独自のオンラインショッピングサイトやLP(ランディングページ)広告を作成したり、ECサイト内の表記を自身で考えたりしている方も多いと思いますが、内容はよく吟味したうえで書き込むこと!
行き過ぎたセールスコピーは薬機法の規制の対象
となるため注意しておきたいものです。
薬機法の許可や認定の手続き方法
そもそも、
薬機法の対象となる品物の輸入・販売には許可や登録が必要
であり、誰しもが簡単に参入出来る分野というわけではありません。
たとえば、業として医薬品を輸入・販売するための免許となるのは「医薬品製造販売業許可」。営業所ごとに所管の都道府県の薬務課経由で知事あてに申請し、取得をしなければなりません。
また製造販売業者が梱包や日本語表示などを行う場合には「医薬品製造業許可」が必要。製造と販売行為のどちらも行いたい場合には両方の許可が求められます。
さらに「販売業許可」は5年間の更新制となっているため、一度取得したら永久に使えるというわけではない点も注意が必要です。
これらは申請したらすぐに許可が下りるような免許ではなく、長期戦を覚悟しなければならない難易度の高い免許。さらにタダで申請できるわけではなく、膨大なコストもかかります。
一例では、行政書士に書類申請を依頼した場合には、医薬品青銅販売業許可申請(第一種)で60万以上かかるケースもあるとか。
そのため医薬品や化粧品を取扱いたいと考えたら、まずは
都道府県の薬務課や厚労省の相談窓口などに問い合わせる
ことを推奨します。
とはいえ、「問い合わせても内容がよくわからない」「自分一人でやるのは難しい」と感じることも多いでしょう。
薬機法の許可や認定の手続きは非常に難解のため、
代行業者に申請手続きを丸ごと依頼する
のも1つの手です。また、どうしても医薬品等を輸入・販売したいと思ったら、医薬品や医療機器等の輸入代行業務を行ってくれる業者もあります。
業務の一部をアウトソーシングすれば、より効率的にビジネスができますので、検討してみてはいかがでしょうか?
薬機法の対象となる品物の輸入手続き方法
最後に、
薬機法の対象となる輸入手続き方法
についても触れておきます。
まず大前提として、輸入の際には許可証や免許証といった書類の提出が必要です。輸入通関の都度、税関にそれらの「許可証」および「輸入する品物に関する製造販売承認書」を提示し、通関手続きをしなければなりません。
これらが用意できない場合には国内に対象の品物を持ち込むことはできません(※個人輸入、個人使用の場合は除く。ただし個人輸入でも量が多い場合や効果を謳っている品物の場合には対象となる場合や、輸入確認証の取得などが必要となるため都度確認が必要)。
また薬機法の分類によって輸入の手続き方法が若干異なるため、どの分類の品物を、どれくらい輸入したいのか?などもあらかじめ確認しておきましょう。
また国内での販売方法や表示義務についても、
取り扱う商品やリスク区分によって異なります。
医薬品類の輸入手続きの詳細については、下記でも詳しく確認することが可能です。
・厚労省のホームページ
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/iji/yakkanhp-kaishu-2016-3.html)
・JETRO
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04M-030009.html
ただし、こちらも輸入許可の手続きと同様に手続きが複雑です。関連サイトを読んだり、問い合わせをしたりしても
- イマイチよくわからない
- 理解できない
ということもあり、独学でチャレンジするとかえって失敗するリスクが高くなる可能性もあります。そのため、
医薬品や医療機器の輸入を得意とする輸入代行業者に頼むほうがより確実
と言えるでしょう。
また無事に輸入が出来たとしても、販売時に「謳い文句が薬機法に引っかからないかどうか?」は要チェックです。
もしも薬機法に引っかかる文言かどうかが心配、という場合にはチェック機関に依頼するのも1つの手。薬機法適法審査認証「YBマーク」の審査を行っている一般社団法人薬機法医療法規格協会では、販売するホームページを薬機法に即して判定し、認証してくれる取り組みを行っています。ぜひ活用してみてください。
「YBマーク」について知りたい方はこちら
https://www.yakkihou.or.jp/lp/yb.html?yclid=YSS.100
まとめ
今回の記事では、
薬機法の概要や対象
注意したい表現
輸入手続き方法
などについて詳しく解説しました。
しかし医薬品や化粧品などは健康被害などの危険性もあり、頻繁に情報が更新されるジャンルの1つでもあります。厚生労働省などでは随時情報を更新して消費者や販売者に対して注意喚起を促すことも多々。前回輸入した時と今回とでは規制の対象となる範囲や手続きの方法が変わっていた、ということも十分にあり得ますので、時事ネタやニュースも念入りに確認しておきたいところです。
とはいえ薬機法のリスクがあるような商品だけの取扱いが「輸入ビジネス」ではありません。輸入ビジネスでは医薬品や化粧品以外にも
幅広く品物を輸入・販売することが可能
です。
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