国際輸送
国際輸送におけるコンテナ船の選び方
コンテナを利用して海外から品物を輸入する際には、コンテナ船を選ばなければなりません。
しかしコンテナ船を選ぶにあたって、
- どこの船会社が良いのだろうか?
- 何を基準に選べばいいの?
といった疑問を感じる方は少なくないでしょう。
そこで今回は、
コンテナ船の選び方
コンテナ船を選ぶ際に注意すべきポイント
について、詳しく解説していきます。
目次
国際輸送におけるコンテナ船とは
品物の海上輸送に欠かせない「コンテナ船」とは、
ISO668により規格化されたコンテナを輸送する貨物船
のこと。
「コンテナ船なくして海上輸送は語れない」とも言われるほど、重要は輸送手段となっているコンテナ船ですが、誕生したのは1950年代に入ってからと比較的最近のこと。半世紀の間に少しずつ進化や大型化を遂げ、近年ではより効率的かつ大量に品物を輸送できるまでになりました。
コンテナは貨物船の1つであり、決まった港を行き来する定期船でもあります。国際基準で決められたサイズのコンテナに品物を積載し、決まったルートを通って定められた寄港地まで貨物を運ぶのが主な役目です。
従来は「人力で船に貨物を搭載する」形式であったため、
- 荷物の積み込みに膨大な時間と人件費がかかる
- 輸送の回転率が落ちる
といったデメリットがありましたが、コンテナ船は
機械(専用クレーン)を利用して回転率を上げることで効率な輸送
を実現。人の手がかからず、天候にも左右されることがないため、正確な運行スケジュールの維持にも役立っています。
さらに、頑丈なコンテナに搭載することで
貨物の盗難や破損のリスクも最小限に
押さえることが可能。画期的な海上輸送手段として、ユーザーの様々なニーズに応えることができるようになっています。
コンテナ船を選ぶ3つのポイント
大量かつ効率的に品物を運んでくれる便利なコンテナ船ですが、
コンテナ船を扱う船会社には様々な業者が存在
します。
そのため、
- なるべく大手の会社を選んだほうがいいの?
- 比較的コストが安いところがいいんだけど、クオリティは大丈夫なの?
など船会社を選ぶ際に迷ったり悩んだりすることもあるでしょう。
そんな時に役立つのが「コンテナ船を選ぶ際の3つのポイント」です。
ポイント1.運賃は適切か
ポイント2.リスクの少ない船か
ポイント3.ルートが最短か
それぞれ詳しく見ていきましょう。
運賃は適切か
コンテナ船の海上運賃(フレイト)は、
輸送区間に応じて決まる
ことがほとんどです。
- 運賃ってどうやって調べたらいいの?
- 運賃を正確に算出するのは難しそう
と感じる方もいるかもしれませんが、海上運賃の目安はWFR(https://worldfreightrates.com/en/freight)というサイトで、オリジンポートと宛先ポートを指定し、コンテナタイプなどを選ぶことで簡単に調べることが可能。
また公益財団法人「日本海事センター」のウェブサイトでも、主要航路のコンテナ運賃動向を確認することができます。こちらはPDFでの資料(http://www.jpmac.or.jp/relation/trend_graph/26_2_2.pdf)ですが、大まかな運賃を算出するのには役立ちます。
同じ航路でも業者によって海上運賃は多少異なるもの。しかし相場を知っていれば、提示された運賃が適切かどうかを確認できるほか、運賃が相場より大幅に高い(または低い)場合には理由を尋ねてから契約できるなど、
リスク回避
にも繋がります。
おおまかな料金ではなく、正確な金額が知りたいという場合には見積もりを依頼しても良いでしょう。
リスクの少ない船か
海上輸送に限らず、「輸送」では
何らかのトラブルに巻き込まれる可能性
も否定できません。特に経年劣化した船やトラックなどはリスクが多いもの。
船舶では、一般的に「15~16年」ほど経過したものが「古い船」と言われています。貨物の船が古い場合には、輸送上のリスクが高いと見なされ、契約の際に高額な保険料を請求される場合も少なくありません。
そのため、なるべく新しくて故障リスクの低い船舶を選ぶようにすると良いでしょう。
また船会社は大手(メガキャリア)であっても、倒産や経営破綻することがよくあります。海外の例で言えば、2016年に90隻以上のコンテナ船を保有する韓国の大手船会社が倒産。経営は安定していると思われていただけに、世界中に衝撃が走りました。
こうした例を見ても
「大手=絶対安心」と安易に決め込んでしまうのは危険。
必要以上にリスクを恐れる必要はありませんが、
- 事前に船会社の情報をしっかり調べておく
- 口コミや評判があればチェックする
など、リスク管理は怠らないようにしましょう。
ルートが最短か
コンテナ船を選ぶ上で、大事なポイントの1つが
「寄港地」
になります。
「寄港地」とは、目的地までの航行中に船が立ち寄る港のこと。航路(ルート)の中に寄港地が多い場合には、目的地にたどり着くまでに時間がかかるほか、急なスケジュール変更などが起こりやすくなると言われています。
そのため寄港地がなるべく少ないほうが、
スピーディかつスムーズに貨物を運ぶことが可能。
スケジュール変更もほとんどなく、予定通りに貨物が到着する可能性も高いです。せっかく品物を運んでもらうなら、なるべくリスクなく安全に目的地まで運んでもらいたいもの。トラブルに巻き込まれないように、ルートについてはしっかり確認しておきましょう。
コンテナ船の寄港地については、依頼する船会社へ聞くのが最も確実ですが、事前にチェックしておきたいという場合には「マリントラフィック(https://www.marinetraffic.com)」にて
- 船の位置
- 出港地
- 目的地
- 建造年
などを無料で確認することができます。利用したい船の名前をローマ字で検索するだけで簡単に調べられるため、利用してみる価値は高いでしょう。会員登録すれば、自分が特にチェックしておきたい港の情報を表示してくれるので大変便利です。
コンテナ船を選ぶうえで気を付けたいこと
ここまで、コンテナ船を選ぶポイントについて詳しくお伝えしてきました。
これらのポイント加えて、
コンテナ船を選ぶうえで気を付けたほうが良い点が2つ
あります。
それは、
- フォワーダー業者の選定
- オンデッキとアンダーデッキ(コンテナが置かれる場所)
についてです。
まず1つめに「フォワーダー業者の選定」ですが、一般の船主は特定の事情がない限り、船会社と直接契約するのではなく、
フォワーダーと輸送契約を結ぶほうが良い
と言われています。
先述したように、大手の船会社であっても倒産などが起きるケースもあり、絶対的な安心・保障は存在しません。
しかしフォワーダーを介せば、万が一船会社が倒産した場合でも、目的地まで貨物を輸送してもらえ、リスクヘッジの観点からしてもフォワーダーと契約するのは賢い選択です。フォワーダーに依頼をすれば、ルートや費用の見積もりなども提案してくれるため、海上輸送をすることが決まったら、
適切なフォワーダーを選び、依頼するほうが安心して輸送ができる
でしょう。
フォワーダーの選び方については、こちらの記事も参考にしてください
次に
オンデッキとアンダーデッキ
についてです。
オンデッキとはコンテナ船の甲板部分のことを指し、アンダーデッキとは船の内部(船倉内)を指しています。
基本的にオンデッキ・アンダーデッキのどちらを選んでも、支払う海上運賃には変わりがありません(同額)。
オンデッキは船上であることから風や太陽熱などの影響を受けやすいと言われており、輸送リスクも高まります。輸送リスクが高いということは、高額な保険料を請求される可能性も高いため、コンテナ輸送では
オンデッキはできる限り避けたほうが良い
というのが常識です。アンダーデッキのスペースには限りがあり、すぐに埋まってしまいやすく、場所の確保は容易ではありませんが、なるべく有力なフォワーダーを通して予約してもらうことをオススメします。
まとめ
今回の記事では、
コンテナ船の選び方
コンテナ船を選ぶ際に注意すべきポイント
についてご紹介しました。
コンテナ船を利用して品物を輸送する場合には、ぜひ参考にしてみてください。
また「より少量の荷物を輸送したい」「サンプル品を取り寄せたい」といった場合には、
他の輸送手段を利用することも可能。
EMSや国際宅配便については下記の記事も要チェックです!
EMSについてはこちらの記事を参考にしてください。
国際宅配便についてはこちらの記事を参考にしてください。