IMPORTBUSINESS
輸入ビジネスとは
日本の見本市に出展する②〜ブースや展示方法〜
日本の見本市に出展する①では、海外から帰ってきて見本市に出展する準備までお伝えしました。今回は、ブースや展示についてお伝えします。
目次
ブース作りは業者に頼む
見本市のブースの作りこみも自分たちでやる必要があります。
ブース作りはブース施工業者に頼みます。スペースが定番の3m×3mで30~35万円ほどです。これで見本市への出展料と合わせて60~70万円の費用になります。かなり凝ったブースを作っても100万円もかかりません。
これは広告費用として考えれば、抜群の費用対効果があります。法人のお客様からの注文が一つでも入れば、ペイできるほどの費用です。
商品に魅力的なキャッチコピーをつける
見本市会場でより多くの人に商品を見てもらうために、魅力的なキャッチコピーをつける必要があります。
例えば、次のようなキャッチコピーです。
「日本初上陸!」
「ドイツで今、注目度ナンバーワンの商品!」
「独占販売権を獲得した商品です」
見本市に行っても商品だけ並べている業者が多い中、ひと工夫するだけで集客力は飛躍的に高まります。
とは言っても、海外のメーカーの商品の展示ですから、メーカーのブランドイメージから大きく離れたキャッチはいけません。ブースのイメージも、海外の見本市で見たものを参考にするべきでしょう。
業者に頼んでブースを作る時、現地のメーカーのブースを参考に作ってもらい、なおかつ日本向けにアレンジした上で、キャッチコピーを考えるのがベストでしょう。
商品の並べ方は本場の売れ筋を参考にする
ブースに商品を並べる時にも、海外の見本市を参考にしましょう。
商品によっては日本人好みのテイストもありますが、まずは本場のおすすめを聞きます。その会社の本拠地がヨーロッパならヨーロッパの、本拠地がアメリカならアメリカの売れ筋を聞き、できればベストテンを教えてもらいます。
その通りに商品を並べると、仮に日本のテイストと外れていても、「これが、あの国の売れ筋ランキングなのか」ということで興味を示してくれる可能性があります。もちろん、海外の見本市のものをそのまま100%やるのでは芸がないので、あくまで参考にしましょう。
ブースには、多品種にわたってシリーズで展開すると効果的です。仮にあなたがメーカー全体の独占販売権を獲得しておらず、一つのシリーズの商品だけの権利しか持っていなかったとしても、他の売れ筋や代表的な商品のラインナップを並べるべきです。その方が、メーカーの特色がはっきりとお客様に伝わるからです。
その上で、お客様にメーカーとの提携を持ちかけていくのが輸入ビジネスの商談です。
多彩な商品のシリーズを見せた上で、「メーカーのコンセプトはこういうもので、日本にはなかったものです。海外では売れ筋がこのように展開されています、これをそっくりそのまま御社の売り場に展開しましょう」と持ちかけるのです。
すると持ちかけられた側は具体的なイメージが湧きますし、売れ筋通りに展開しているので説得力があり、納得しやすいのです。
メーカーのストーリー伝える
自分が海外で発掘した商品の魅力を伝えるために大切なのは、商品の魅力や売れている情報だけではなく、メーカーの歴史や、ストーリーを伝えることです。そのためには、メーカーのことをよく学び、知っていく必要があります。
「こだわりの革職人が何十年も作っている革製品」
「こういう賞を取っている人が作っている商品」
このような歴史やストーリーが入っていると、見本市の会場で商品の魅力が伝わりやすいのです。
何回も金賞を取っているとか、10回表彰されているとか、デザイナーのストーリーなどを含めて展開していくことが大切です。
日本人は、こうしたストーリーが大好きです。バレンタインデーのチョコレートや、ホワイトデーなどもストーリーを作ったからこそ売れているのです。日本は広告代理店があるので、こうした文化が根付いています。テレビの通販なども、芸能人の苦労話から始まってこの商品で救われたとか、健康を維持しているというストーリーを背景に売るのが定番です。
販売においては、単に優れた物を売るのではなく、見せ方が大事なのです。
プライド、信念、美学……。こだわり感が感じられる、ここがちょっと他とは違う雰囲気があるメーカーだと思ってもらえるように意識しましょう。人は、商品の背後にこうしたストーリーを見て、説得力を感じて物を買うのです。
メーカーの人間を日本の見本市に招き、「この商品はこんなにこだわって作った」とく語ってもらうのもいいでしょう。
実際に輸入する時も、売る時も、コンセプトやストーリーを意識して、「こういう見せ方をしたい」と伝え、メーカーと打ち合わせをしつつ、やりとりをしていきましょう。
「御社のコンセプトを日本に伝えたい」と言えば、物を作っている人は、「ノー」と言いません。一緒にどうやったらコンセプトが表現できるか考えてくれますし、それが魅力的なキャッチにもつながっていきます。一緒に考えたからこそ、メーカーを国内の展示会に巻き込んでいけるのです。