コンテナ
海上輸送と航空輸送 得なのはどっち?!
貨物を輸送するためのメイン手段である
「海上輸送」と「航空輸送」。
日本から海外または海外から日本への物流は海上輸送がメインとも言われていますが、品物によっては航空輸送を選択するほうが
- スピーディで
- 確実に
- 品質を保ったまま
運べる場合もあります。
そのため今回の記事では、
海上輸送と航空輸送の特徴
を明らかにするとともに、
メリット・デメリットを比較し、
様々な物流ケースにおいてどちらを選択したほうが得なのか
を検証していきたいと思います。
目次
海上輸送のメリットデメリット
海上輸送とは、その名の通り、
海上を利用した旅客または貨物の輸送手段。
今回の記事では、主に貨物の輸送について解説していきますが、日本は島国であるという地理的条件もあり、
重量ベースでは99%が海上輸送を占める
というデータ(https://www.mlit.go.jp/common/000170305.pdf)もあるほど主流の輸送手段となっています。
海上輸送では、「コンテナ」に入れて品物を運びます。一言でコンテナといっても、海上輸送においては、ISOによって規格についての国際基準が定められた
「国際海上コンテナ」
を使用するのが一般的です。
国際海上コンテナは、20フィート版と40フィート版の2種類がメインで使用されるほか、大きさや長さの形態に合わせて、高さの高いものや上部が空いているようなものが使用されるケースもあります。
コンテナ1本単位で運送される大口貨物(FCL)から、1つのコンテナに複数の会社の小口貨物が搭載されて運ばれるLCL貨物まで、
様々なタイプの貨物を運ぶことができる
のが、最大の特徴と言えるでしょう。
こうして見ると、海上輸送のメリットは何といっても、
- 大量に運ぶことができる
- 航空輸送に比べて大きさや重量に制限がない
- コストパフォーマンスが良い(輸送費が安い)
という点でしょう。
一方でデメリットとしては、
- 輸送に時間がかかる
- 日持ちしない食品類、壊れやすい精密機器など、海上輸送に適さない品物がある
- 出港までに多くの関係者が立ち入ることから、積み荷が盗まれる危険可能性がある
といったものが挙げられます。
特に出向~着港までの期間は国や地域によって様々であり、日本から東南アジアでは12日、日本からヨーロッパまでは30日~60日といったように、
場合によっては1か月以上要するケース
もあり長期戦を覚悟しなければなりません。海上輸送の特徴を読み間違うと、
- 予定の日に貨物が到着しない
- 赤道を通るルートのために船内が高温になり、品物が溶けてしまった(商品としての価値をなさなくなった)
といったトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。
コストに関しては、基本的にどの業者を利用しても
集荷から通関までの費用はそれほど差が出ない
と言われています(ただし料金は、輸送費に加えて輸送日数やルート、サーチャージなどによって変動します)。また特定の地域に強いかどうか、取り扱うコンテナの種類の得意不得意など、業者によって強みや専門性が異なるケースが多々ありますので、その都度確認が必要です。
航空輸送のメリット・デメリット
一方の航空輸送ですが、やはり
重量ベースで見ると海上輸送にはかないません。
しかし金額ベースで見た場合、日本においては約20%の割合占めるというデータ(https://www.mlit.go.jp/common/000170305.pdf)もあり、
軽量かつ高額な貨物の輸送に使用されている
ことが分かります。
一般的に、航空機輸送では海上輸送の3~5倍の費用がかかるケースがほとんど。コスト面だけでみると圧倒的に海上輸送に軍配が上がりますが、それでも常に海上輸送と肩を並べる輸送手段として引き合いに出されるのは、
それ以外の面で大きなメリット
があるためです。
たとえば、
- 圧倒的なスピード感で商機を逃すことがない
- 荷受け~到着までの期間が短い
- 輸送時のトラブルや事故が少ないことから貨物の損傷・破損が出にくい
- 温度や湿度に影響されにくい
- セキュリティ対策が万全
といったものがあり、特に
食品や植物、精密機器、宝石などの運送に最適
です。
また急ぎの書類や研究用の検体なども航空機輸送がメインとなります。
これだけ見ると航空輸送のメリットは豊富に感じられますが、
- 輸送コストが高額
- 大量の品物、大きな品物を送るには適さない
といった点は、企業にとってはかなりのデメリットになる場合も。
航空運賃は、
実重量と容積重量を比較して、より大きいほうに航空レートをかけて料金を算出
されますが、どこ宛の荷物なのか、燃油サーチャージがいくらなのか、など配送ルート(航路)や時期によっても費用が異なるため、その都度手続きを対抗してくれるフォワーダーや通関業者などに確認するほうが良いでしょう。
また航空運賃以外にも、
- フォワーダーや通関業者などに支払う輸出通関料
- 輸出取扱い料
- 倉庫保管料
- 爆発物検査料
などでコストがかさむ場合もあるので気を付けておきましょう。
フォワーダーとは何者?!と思ったらこちらの記事も参考になります。
海上輸送と航空輸送の違い
ではここで、
海上輸送と航空輸送の違い
を一覧で比較してみましょう。
一般的に、海上輸送では大口または大型の貨物の輸送に、航空輸送では付加価値が高く、時間的な正確性を求められる貨物の輸送に適していることがわかるでしょう。
ただし、海上輸送であってもLCLのように小口の輸送も可能ですので、長期輸送に耐えられる品物であれば
航空輸送よりはるかに少ないコストで輸送
することもできます。そのため、
- あまりコストをかけずに商品を小口で輸入したい
- まだ本格的なビジネスとしてはスタートしていないが、テストマーケティングとして商品を仕入れてみたい
といった場合に利用するのもオススメです。
結局得なのはどっち?
両者を比較すると、
コスト的に得なのは「海上輸送」
と言えるかもしれません。しかし単に「安いから」という理由だけで海上輸送一択にしてしまうと、ビジネスの内容や貨物の中身によっては、スケジュールの遅れや破損などのトラブルが生じ、
商機を逸してしまう可能性
もあります。
つまり輸送手段を決める場合には、
それぞれの輸送手段が持つデメリットとメリットを比較し、総合的に判断
することが重要だと言えるのではないでしょうか。
目先の利益だけではなく、トラブルや事故といった不測の事態を想定したり、どちらを選ぶほうがビジネスに有効なのか、といった
多角的な視点で輸送手段を選ぶことが大切
です。また細かい料金やルート等に関しては、各フォワーダーなどで見積もりやシミュレーションを得ることも可能ですので、比較・検討のために利用してみても良いでしょう。
まとめ
今回の記事では、
海上輸送と航空輸送の特徴を明らかにする
とともに、
メリット・デメリットを比較
し、
様々な物流ケースにおいてどちらを選択したほうが得なのか
について詳しく見ていきました。
品物の輸出入をする際には、両者の特徴やメリット・デメリットを理解した上で、
より適切な輸送手段選び
をするように心がけましょう。
国際郵便(EMS)についてはこちらの記事を参考にしてください。
国際宅配便についてはこちらの記事を参考にしてください。
海上輸送のコスト削減についてはこちらの記事を参考にしてください。