CASE OF FAILURE
輸入ビジネス失敗事例
メーカーがパッケージの変更に応じない場合の原因と対処法
輸入ビジネスで多いトラブルに、契約・代金・保険に関するものがあります。今回は、メーカーがパッケージの変更に応じない場合の原因と対処法をお伝えいたします。これを学んで、失敗できない輸入ビジネスを手に入れてください。
目次
事例
高価格の商品なのに、パッケージが極めてお粗末。商談で「日本ではパッケージも商品のうちである」と説明するが、「捨てるものに、何でそんなに金をかけるんだ」と言わんばかりで態度を変えない……
日本では、パッケージも商品の一部ですが、海外では外装というのは「捨てるもの」という感覚があり、あまり神経を使わない傾向が強いです。
パッケージより、コンテナの積載効率?
ヨーロッパからソファを2個輸入した時、一つの段ボールに互い違いに入れられて送られてきました。引越の時などによくやる、あの状態です。
お客様は1個ずつを顧客に売るのです。日本での配送を考えると、別に段ボールを探して入れ直さなくてはいけません。何故、一個ずつ別に梱包しないのか尋ねたところ「コンテナに入れる時、このほうがスペースが上手く使える。あなたも運賃のセーブになり、得だろう」との回答。
コンテナの運賃より、日本での入れ替え作業のほうにコストがかかると伝えても「日本人は細かいことを言う割に、発注量が小さい。アメリカを見ろ。そんな細かいことは言わずにドーンと買ってくれる」といった反応が返ってくることもあります。
アメリカには問屋のような中間業者がいない
ヨーロッパ各国の輸出業者は、アメリカをターゲットにしていることが多いため、上記のような発言が出てきます。アメリカでは、小売業者がメーカーから買い付け、簡単なパッケージのまま消費者に売る為、流通形態が日本とは異なるのです。
そうしたアメリカ市場を向いているヨーロッパの輸出者は、日本の特殊性を知らず「日本向けだから」と考えることなく、アメリカ向けと同様の梱包で出荷してしまうのです。
対応方法
結論から言えば、「アメリカを見ろ」と言い張る輸出者とはつきあわない方がいいでしょう。アメリカ向けのいい加減な梱包で送られてきたり、納期もアバウトで、結果的にこちらが顧客との板挟みになりかねません。
高価格商品にふさわしいパッケージにしたい場合
「これは私が言っているのではありません。あなたの気持ちもわかりますが、日本のマーケットが言っていると思ってください。あなたは日本のマーケットと付き合いたいですか?これからも日本と付き合いたければ、その勉強をしていると思ってください」
と伝えてみましょう。日本市場は、非常に魅力的な市場です。日本市場での売り上げを伸ばしたいメーカーなら納得してくれるでしょう。
日本では、パッケージも商品の一部であるということを、商談相手が良く認識して対応してくれるかどうかを確認した上で取引を始めるようにしてください。
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